投資信託は元本が保証されない金融商品のため、リスクを把握してから始めることが重要です。
「後悔先に立たず」とはよくいったもので、損失を出してからでは取り返しがつきません。
投資信託で良い成果を挙げるためにも、まずはリスクを把握するところから始めましょう。
この記事では、投資信託の5つのリスクについて詳しく解説します。
リスクを抑える方法もご紹介しますので、投資信託でうまく資産運用するための足掛かりとしてください。
投資信託はどんな金融商品?
最初に投資信託についておさらいしておきましょう。
投資信託は、たくさんの投資家からお金を集めて大きな資金とし、株式や債券・不動産等に分散投資する金融商品です。
運用で得られた損益が投資家に分配されます。
ひとつの投資信託には複数の資産や銘柄が組み入れられているため、1銘柄の購入で分散投資の 効果を得られる可能性があります。
運用するのは投資家個人ではなく、投資のプロである運用会社 です。
株式等のように自分で運用する必要がないため、初心者でも利用しやすいメリットがあります。
ただし、元本が保証されているわけではないため、損失を出す可能性があることも忘れてはいけません。
投資信託の5つのリスク
投資信託で考えられるリスクは次の5つです。
- 価格変動リスク
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
- 信用リスク
- カントリーリスク
具体的にどのようなリスクなのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。
価格変動リスク
価格変動リスクは、投資信託に組み入れられている株式や債券等の価格が変動し、基準価額に影響するリスクのことです。
基準価額は投資信託の値段のことです。
投資信託の基準価額の変動は、企業の業績や政治・経済情勢・景気動向など、さまざまな影響を受けることで起こります。
大きな利益が期待できる場合は、価格変動リスクも大きくなる傾向にあります。
対して得られる利益が小さいと考えられる場合は、価格変動リスクも小さくなる傾向にあります。
為替変動リスク
為替変動リスクは、円と外国通貨との為替レートの変動によって起きるリスクのことです。
投資信託に外貨建て資産(外国の株式や債券など)が組み入れられている場合に注意したいリスクです。
一般的に円高になると基準価額は下落しやすく、円安になると基準価額が上昇する傾向にあります。
つまり、円高になると為替差損が発生し投資信託は元本割れ(価格が変動し売却価格が当初の購入価格を下回ること)となる可能性があり、円安になると為替差益が発生し投資信託で値上がり益を得られる可能性がある、ということです。
円高・円安の例
- 1ドル=100円が1ドル=90円になれば円高
- 1ドル=100円が1ドル=110円になれば円安
金利変動リスク
金利変動リスクは、金利が変動することで債券の価格が変動するリスクのことです。
投資信託の投資対象に債券が組み入れられている場合に生じるリスクです。
一般的に金利が上がれば債券の価格は下落し、金利が下がれば債券の価格は上昇します。
つまり債券の金利が投資信託の基準価額に影響する可能性がある、ということです。
また、金利の変動は企業の業績や、投資資金の流れにも大きな影響を及ぼすことが多く、株式のみに投資する投資信託であっても配慮が必要です。
信用リスク
信用リスクは、投資信託に組み入れられている株式や債券の発行体が業績悪化したり、倒産したりするリスクのことです。
業績悪化等で投資信託の基準価額が下落する場合があります。
また、信用リスクが大きくなると投資信託の運用に悪影響がおよび、分配金や償還金を投資家が受け取れなくなる可能性もあります。
分配金とは、運用で得られた利益から投資家に還元されるお金のことです。
償還金は、事前に運用期間が決められている投資信託の償還日(運用期間最終日)に、信託財産(投資信託の資産)を清算して投資家に支払われるお金のことです。
原則として、償還日から5営業日後に支払われます。
カントリーリスク
カントリーリスクは、投資対象国や地域の政治・経済情勢が変化することで投資信託の基準価額が下落するリスクのことです。
株式市場や為替市場は政治・経済情勢の影響を受けやすいといわれており、一般的にアフリカや中南米の国々など はカントリーリスクが高いとされています。
ただし、米国のリーマンショックのような例もあるため、どの国にもカントリーリスクがあることは覚えておきましょう。
リーマンショックとは、2008年9月にアメリカの有力投資銀行「リーマン・ブラザーズ」が経営破綻し、それがきっかけで起きた世界的な経済危機のことです。
リスクを抑える3つの方法
上述したリスクに何の対策も講じないまま投資信託を購入するのは良くありません。
リスクを抑えるには次の3つの方法が有効と考えられます。
- 分散投資する
- 購入時期を分散させる
- 長期投資する
分散投資する
まずは投資信託以外の金融商品にも分散投資することです。
もちろん、複数の投資信託に分散投資する方法でも構いません。
複数の金融商品に投資していれば、ひとつが値下がりしてもほかの金融商品の運用で値下がり分をカバーできる可能性があります。
投資信託は1銘柄で分散投資効果が期待できる金融商品ですが、値動きの異なる 複数銘柄に分散投資すればより効果が高くなると予想されます。
資産運用の安定性を高めるうえでも分散投資は重要な要素です。
購入時期を分散させる
投資信託を購入するタイミングを1度ではなく複数に分けることもポイントです。
定期的に一定額で購入し続ければ、価格が高いときは購入量が少なくなり、安いときは購入量が多くなり、平均購入単価を抑える効果が期待できるのです。
PWM日本証券では、購入時期を手軽に分散できる投資信託の積立プログラム「アセット・アクセル」を提供しています。
月々1万円から購入できるため、時間分散する方法のひとつとして検討してみてください。
長期投資する
世界の経済に目を向けると、長期的に成長を続けており、世界の株式も短期的な下落を繰り返しながらも、長期的には上昇を続けています。
そのため、世界の株式に投資する投資信託を長期保有すると短期的な変動はあるものの、長期的には安定した利益の獲得が期待できます。
また、短期で結果を出さなければいけないという心 理的な負担を軽減できることもメリットです。
一般的に長期投資は短期投資よりリスクをコントロールしやすいといわれています。
すぐに利益を求めるのではなく、じっくりと腰を据えて取り組むことが資産運用には重要です。
まとめ
投資信託でのリスクは主に価格変動リスク・為替変動リスク・金利変動リスク・信用リスク・カントリーリスクの5つです。
これらのリスクを抑えるには分散投資や購入時期の分散、長期投資の3つの方法を意識することがポイントです。
ただ、最初から3つすべてを押さえて取り組むのが難しい方もいるでしょう。
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