IFAの成り立ちと相談する2つのメリット|マネカレ

IFAの成り立ちと相談する2つのメリット

将来に備えるために投資信託などに投資を行う上で、さまざまな疑問や悩みは付き物です。資産運用に関する知識や経験をもつ専門家に頼りたいと考える方は多いかもしれません。そのような時は、IFAという金融アドバイザーへ相談するのがおすすめです。
今回は、IFAの役割やFPとの違い、IFAに頼ることでどのようなメリットがあるのかを解説します。

金融アドバイザーであるIFAとは

IFAとはIndependent Financial Advisor(インディペンデントファイナンシャルアドバイザー)の頭文字をとった略称で、日本語では独立系ファイナンシャルアドバイザーと呼ばれる金融アドバイザーの業態の一種です。銀行などの登録金融機関や金融商品取引業者(証券会社)の委託を受けて、株式や投資信託等の売買の仲介をする法人・個人のことを指します。

IFAには、証券会社や銀行などの金融機関から、転職または起業している方や、FP(ファイナンシャルプランナー)、税理士や弁護士などの士業、保険代理店などと兼任している方などさまざまなバックグラウンドをもつ方がいます。

特定の金融商品取引業者(証券会社)や登録金融機関(銀行等)ではなくIFA事業を営む法人に所属したり、自ら開業して、顧客の代理人という中立的な立場で資産運用に関するアドバイスをします。

IFAの登録について

日本でのIFAは、金融商品取引法に定義されています。財務局を通じて金融商品仲介業の申請を行い、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。
また、金銭や有価証券の預託の禁止・広告の規制・標識の掲示など、顧客に対しての誠実な対応が法律によって厳しく定められています。

IFA登録業者の数は増加傾向にあります。
2021年5月31日現在、金融商品仲介業者に登録されている業者は、法人・個人を合わせて874業者(*1)です。
*1出典:金融庁『金融商品仲介業者登録一覧』

IFAが行うこと

IFAが行う主な業務内容は次の通りです。

  • 株や債券、投資信託といった具体的な金融商品の説明や注文の受注
  • 市場動向の分析や資産運用に関するアドバイス
  • アフターフォロー

IFAと業務提携している金融商品取引業者(証券会社)に口座を開設した顧客に対して、金融商品の売買を仲介することが主な業務です。
申し込み内容の伝達や書類の送付などの仲介業務をします。
仲介という独立した立場のため、顧客側の立場に立ったアドバイスを行います。
購入後のアフターフォローなどの、ライフプランを踏まえた長期的なサポートまで担うのが特徴です。

FPとの違い

同じ金融アドバイザーであるFP (ファイナンシャルプランナー)との違いは次の通りです。

FPの特徴

  • 資産運用の相談相手
  • 一般的な金融商品のアドバイスやプラン作成のみ行う
  • 資格や登録は必要ない(何らかのFP資格を有しているFPがほとんど)

IFAの特徴

  • 資産運用と投資のプロ
  • 具体的な金融商品提案から売買の媒介まで行う
  • 証券外務員資格の保有と、内閣総理大臣への登録が必要

FPは資産運用の知見があり、顧客に対して一般的な運用のアドバイスをしますが、具体的な金融商品の提案をすることは法律上認められていません。
実際に金融商品を売買するときは、顧客自身が投資する金融商品を選び、注文等の手続きも自己完結する必要があります。

一方、独立した立場であるIFAは、さまざまな金融商品を取り扱いながら、顧客一人ひとりにあった具体的な金融商品提案を含む資産運用のアドバイス・売買・アフターフォローまで行います。
さまざまな金融商品の提案や売買の媒介、将来を見据えた長期的な資産運用のアドバイスまで一貫して行うのがIFAです。

IFAの成り立ちについて

お客様に提案するIFA

IFAが必要とされるまでの成り立ちには次のような背景があります。

IFAが誕生するまでの状況

IFAが誕生する以前、金融機関に勤める社員しか金融商品の取り扱いができませんでした。
しかし、膨大なノルマや個人のインセンティブを追い求めるなど、金融機関の立場での販売代理をしていたため、顧客の利益を優先できず利益相反が生じるなどの問題が生じていました。

貯蓄から投資への時代

加速する少子高齢化に備え、日本の個人金融資産を効率的かつ有効に運用するために、国民自身が資産を増やす貯蓄から投資をスローガンとして掲げ、証券市場の育成や金融商品の販売経路の拡大が行われました。

証券会社以外である法人・個人も金融商品の仲介ができるようになり、特定の金融機関に所属せず、販売ノルマもなく、顧客の立場になって購買代理をするIFAが誕生しました。

IFAに相談できること

IFAに相談できることは、主に長期的なお金に関する全般のことです。
ただし、IFAによって得意とする分野はさまざまです。
一人ひとりにあった投資方法・相続への準備・保険の見直しなど特定の分野に長けているIFAもいれば、弁護士や税理士などといった専門家とのつながりをもつIFAもいます。
自分の相談したい内容に合った対応をしてもらえるIFAを選ぶことが重要です。

IFAへの相談料

IFAへの相談料金は、基本的にほとんどかかることはありません。なぜ無料で相談に応じられるのかは、IFAの収益構造に理由があります。

基本的に相談料が発生しない理由

日本のIFAは、業務委託契約を締結している金融商品取引業者 (証券会社)や登録金融機関(銀行等)から、販売手数料や信託報酬などの一部を受け取る構造になっています。
このように、IFAの仲介によって顧客を得た金融商品取引業者(証券会社)や登録金融機関(銀行等)がIFAに対して仲介手数料を支払う形となっているため基本無料で相談に応じることが可能です。

しかし、中には相談料がかかるケースもあります。
日本で相談料を受け取るためには、投資助言業への登録が必要です。
IFA法人の一部には投資助言業登録を行い、相談が有料となることもあります。

IFAに相談するメリット2つ

資産運用などお金に関する悩みをIFAに相談するメリットは次の2点が挙げられます。

  • 独立した立場で長期的な資産管理が期待できる
  • さまざまな視点や経験から助言がもらえる

2つのメリットについて、具体的に解説します。

独立した立場で長期にわたる資産管理が期待できる

IFAは特定の金融機関に属さない独立した立場にあります。
そのため、会社都合による異動や転勤がなく、長期にわたって顧客の資産を管理することが可能です。
商品販売のしがらみがある金融機関に属するアドバイザーとは異なり、成績やノルマなどに縛られることもありません。
顧客との間に利益相反が生じにくい中立的な立場から、顧客の資産を守り増やすことに重きを置いているため、未来を見据えた資産管理を任せることが期待できます。

さまざまな視点・経験からの助言がもらえる

IFAのなかには税理士などの専門分野と兼務しているケースも多いため、資産運用に関して多角的な視点からのアドバイスを受けられます。
また、証券会社や銀行などの金融業界で働いていた経験があり、金融業界に関しての知識や経験を保有しているIFAも数多くいます。
投資以外の年金計画や社会保険などの豊富な知識もあり、顧客一人ひとりの状況に応じてさまざまな角度からアドバイスをもらえるため、資産運用の力強い味方となるでしょう。

まとめ

IFAは、金融商品取引業者 (証券会社)や登録金融機関(銀行等)から独立した中立な立場から、長期的な資産運用に関するアドバイスをします。
FPと違って具体的な金融商品の提案や、取引の媒介を行うこともできます。
現在、日本での認知度はまだ低い水準にありますが、相談件数は徐々に増加傾向にあります。
これからの日本では、貯蓄から投資が必要な時代となるため、個人が資産を増やす資産運用は重要です。
投資信託など将来を見据えた資産運用は、独立した立場から顧客の資産形成を長期でサポートできるIFAへの相談がおすすめです。

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この記事の監修者

 マネカレ編集部

マネカレ編集部による編集記事です。
マネカレは、2021年9月に開設された資産運用情報メディア。
今後も資産運用やIFAなどに関するさまざまな記事を配信してまいります。

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