病気やケガ・死亡などといった不足の事態にそなえる保険。
保険を使って資産運用しよう!
と言われてもピンとくる人は多くはないかもしれません。
じつは保険の種類によっては資産運用をすることが可能なのです。
そこで、保険を使った資産運用の方法やメリット・デメリットについて、かんたんに解説します。
保険のしくみをもっと理解することで、資産運用としても活用できるようになりましょう。
保険を使った資産運用の方法
まずは、資産運用ができる保険の方法を見ていきましょう。
「貯蓄型保険」で資産運用できる
ある種類の保険が、資産運用をすることができます。
それが貯蓄型保険。
貯蓄型保険のしくみ
貯蓄型保険は、解約したり満期をむかえたときに、
- 解約返戻金
- 満期保険金
を受け取ることができます。
ある条件をクリアすることで、保険料として支払ったお金よりも多くもらえるため、資産運用としての活用ができるのです。
貯蓄型保険の保険料はどうやって決まる?
貯蓄型保険を解約・満期をむかえたときに受け取れる保険料は、どのように決まるのでしょうか?
そのキーワードとなるのが返戻率です。
返戻率
これまで支払ってきた保険料に対して、受け取れるお金の割合が「返戻率」。
返戻率は、保険の加入期間が長くなれば長くなるほど高くなるのが通常です。
返戻率が100%を超えると資産運用できる
この返戻率が100%を超えることで、支払ってきた保険料よりも多くの金額を受け取れる(資産運用ができる)ようになります。
保険会社は損しないの?
保険会社は、保険料よりも多い金額を支払ってしまっても問題はないのでしょうか?
答えは問題ありません。
保険会社が資産運用している
先ほどの返戻率が100%を超えた部分は、運用による利益でできています。
保険会社が損をしないために、保険料を運用することで利益をだせるように努力しているのです。
おもな貯蓄型保険の例
資産運用ができる貯蓄型保険はこちら。
貯蓄型保険の例
- 終身保険
- 養老保険
- 学資保険
- 個人年金保険など
保険で資産運用する4つのメリット
貯蓄型保険で資産運用ができることがわかりました。
具体的なメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
1. 投資初心者でも利用しやすい
株式やFXなどの投資とちがって、貯蓄型保険は自分で運用する必要がありません。
利益をだせるように運用するのは、あくまでも保険会社の役目です。
保険料を納めるだけでOK
保険を契約している人(契約者)は、保険会社に保険料を納めるだけで大丈夫。
投資の知識や経験などは必要ありません。
心理的ストレスが少なく済む
株式やFXなどを運用する場合、
株価が下がった~。
為替の値動きが激しすぎる……。
貯蓄型保険を運用するのは保険会社。
自分で投資するわけではないので、心理的なストレスが少なくて済むかもしれません。
コツコツ取り組めない人におすすめ
保険料は、毎月自動的に引き落とされます。
資産運用にコツコツ取り組むことが苦手な人にもおすすめです。
2. 利回りに期待できる
いまの日本は、超低金利時代といわれています。
金融機関にお金を預けても、多くの利息は期待できません。
そのために保険で資産運用した方が、預金よりも効率よく成果をだせると考えられています。
【例】定期預金の金利
たとえば、あるメガバンクの定期預金の金利は0.002%です。
出典: みずほ銀行「定期預金」
もし100万円を1年間預けても、利息がわずか20円にしかなりません。
ネット銀行の金利は、比較的高いといわれています。
それでも、大手ネット銀行の定期預金は0.02%といった状態。
出典: 楽天銀行「定期預金金利」
先ほどのメガバンクの金利の10倍ではありますが、高い利回りとはいえません。
超低金利の時代が今後も続くのあれば、預貯金よりも保険のほうが利回りに期待できると見込めます。
3.「もしも」のときに保険金を受け取れる
自分に「もしも」のことがあった場合をイメージしましょう。
もし、わずかな預貯金しかない場合、遺されたご家族は生活に困ってしまうかと思います。
資産運用に使っている保険の受取人を、ご家族などに指定することで、保険金を渡すことができるのです。
遺されたご家族は決まった金額の保険金を受け取ることができます。
当面の生活をサポートするための資金となるでしょう。
葬儀やお墓の購入費用にも
もし、ご自分に万が一の事態が起こった場合、葬儀費用やお墓も必要です。
保険金は、これらの葬儀費用やお墓の購入などにも支払うことができます。
いざというときに、保険での資産運用が大きいメリットとなるかもしれません。
4. 節税効果に期待できる
貯蓄型保険によって、節税効果に期待できる可能性があります。
それが生命保険料控除制度。
生命保険料控除制度
支払った保険料にしたがって、一定金額をその年の所得から差し引けるのが生命保険料控除制度。
この制度によって、税率を計算するときの所得金額を少なくすることができます。
保険での資産運用によって、所得税や住民税の節税につながるかもしれません。
制度の対象
- 終身保険
- 個人年金保険
「生命保険料控除証明書」が提出必須
生命保険料控除制度を利用するときは、かならず生命保険料控除証明書を提出しなければいけません。
提出タイミング
提出タイミングは、年末調整と確定申告。
発送されるタイミング
生命保険料控除証明書は、10月ごろから保険会社が発送するのが一般的です。
制度を利用する場合は、きちんと保管しておいてくださいね。
保険で資産運用する3つのデメリット
保険での資産運用でも、3つのデメリットが存在します。
1. ほかの金融商品よりも利回りが低い
株式や投資信託などのような金融商品と比べると、保険は高い利回りが期待できません。
あくまで保険は資産運用としても利用できるものとしてとらえましょう。
とくに株式の投資と比べると、値動きや得られる利益の大きさから、利回りの差を感じてしまうかもしれません。
リスクとリターンは比例する
資産運用でのリスクとリターンは比例するのが原則。
より大きなリターンが期待できるものは、より大きなリスクがあるということ。
利回りが低ければリスクも低い
保険の利回りが低いということは、リスクも低いということも意味します。
保険での資産運用は大損しにくい側面があることを覚えておきましょう。
2. 長期間の加入が必須
返戻率(解約や満期に受け取れるお金の割合)は、加入する期間が長くなれば長くなるほど高くなるのが基本です。
受取金額が少なくなる場合も
返戻率が100%を切った状態で解約してしまうと、これまで払ってきた保険料未満のお金しか受け取ることができません。
必要な保険かどうかの検討が大切
返戻率を100%以上にするためには、長期間の加入が必須条件となります。
ほんとうに必要な保険かどうかをしっかりと検討しましょう。
3. 掛け捨て型にくらべて保険料が高い
掛け捨て型の保険にくらべて、貯蓄型保険の保険料は高いことが多いです。
掛け捨て型の保険料が安くなる理由
掛け捨て型保険では、解約返戻金や満期保険金の支払いが必要ありません。
そのために、貯蓄型保険の保険料と差が生じやすいのです。
割高なプランだと途中解約してしまう場合も
割高なプランの貯蓄型保険を契約しても、支払いに耐えきれずに途中解約してしまう可能性があります。
その場合は、解約返戻金や満期保険金をしっかりと受け取ることができないかもしれません。
そのために、貯蓄型保険に加入するときは
割高なプランを長期契約しても、生活に問題がでないかなぁ。
といった検討をしていくことがポイントです。
保険で資産運用を検討している方へ
保険を使って資産運用をするためには、貯蓄型保険を選ぶことがひとつの方法です。
貯蓄型保険のメリットを再確認
貯蓄型保険のメリットとしては、初心者でも利用できることと節税効果。
ただ、長期加入が前提となったり、保険料が割高となるポイントには注意しましょう。
貯蓄型保険の利回り
貯蓄型保険は、預貯金よりも高い利回りが期待できます。
ただ、ほかの金融商品とくらべると運用効率がいいとはいえません。
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