就職したばかりの人が多い20代。
ほとんどの20代の方は、あまり多くの給料をもらえないのが現実です。
ただ、結婚・子育て・住宅購入などのライフイベントにそなえる可能性があるのも20代。これらのお金は、資産運用に取り組むことで効率よく準備できるかもしれません。
今回は、20代のみなさんにおすすめの資産運用について解説します。
まわりの20代と差を付けたい方はぜひ参考にしてみてください。
20代の資産運用のメインは「預貯金」
多くの20代は、どんな資産運用をしているのでしょうか?
日本証券業協会が実施している2021年度 証券投資に関する全国調査 (個人調査)では、それぞれの世代が持っている金融商品(保有金融商品)がまとめられています。
つまり、
20代が持っている金融商品を調べれば、どんな資産運用をしているのかがわかる!
ということ。
それでは、20代のみなさんがどんな資産運用をしているのかを見てみましょう。
20代の保有金融商品
保有金融商品 (複数回答) 男性 女性 20~24歳 25~29歳 20~24歳 25~29歳 預貯金 83.0% 88.5% 86.8% 93.6% 株式 4.4% 8.7% 0.0% 4.3% 投資信託 2.9% 9.2% 2.3% 6.0% 公社債 1.0% 0.0% 0.0% 0.0% 信託 0.0% 1.8% 0.0% 0.0% 有価証券関連以外のデリバティブ商品 0.0% 0.5% 0.0% 0.0% 有価証券関連デリバティブ商品 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% その他 0.5% 0.0% 0.6% 0.4% いずれも持っていない 16.0% 11.0% 13.2% 6.0%
20代の方は、男女ともに銀行などの預貯金での資産運用がメインだということがわかります。
預貯金は利息収入を得られるため、れっきとした資産運用のひとつ。
預貯金で得られるリターンはわずか
2022年現在の日本では、預貯金ではわずかな利息しかつきません。
そのために、効率的な資産運用の方法としてはむずかしいと考えられます。
銀行預金の金利
参考までに、銀行預金の金利をいくつかまとめました。
普通預金 | 定期預金 | |
---|---|---|
メガバンクA | 0.001% | 0.002% |
メガバンクB | 0.001% | 0.002% |
メガバンクC | 0.001% | 0.002% |
ネット銀行A | 0.02% | 0.02% |
ネット銀行B | 0.001% | 0.02~0.03% |
ネット銀行C | 0.01~0.10% | 0.01% |
どの銀行でも、期間・預金額を問わず金利が0.1%以下だということがわかります。
もし、金利0.001%の銀行に100万円をあずけても、1年間での利息は10円にしかなりません。
資産運用としての「預貯金」の効率は低い
すぐにお金を引き出せるメリットがあるのが預貯金。
ただ、資産運用としての効率を考えると、投資信託や株式・債券などによる投資をはじめてみるのもいいかもしれません。
投資が必要だと思う20代
多くの20代の方にとっての投資は、なじみの薄いものかもしれません。
でも、日本証券業協会が実施している2021年度 証券投資に関する全国調査(個人調査)では、
20代の方の約34%が「投資は必要だと思う!
と回答しています。
証券投資が必要な理由 (2021年度)
証券投資が必要な理由 (複数回答) | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
20~24歳 | 25~29歳 | 20~24歳 | 25~29歳 | |
預貯金だけでは十分な利息を期待できない | 64.3% | 58.9% | 38.6% | 67.1% |
将来・老後の生活資金として準備できる | 52.9% | 60.0% | 52.3% | 52.4% |
現在の保有額では将来の生活に不安 | 32.9% | 45.6% | 40.9% | 47.6% |
将来のインフレに備えることができる | 20.0% | 15.6% | 18.2% | 12.2% |
その他 | 0.0% | 1.1% | 2.3% | 0.0% |
特に理由はない | 1.4% | 5.6% | 9.1% | 4.9% |
無回答 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
出典: 日本証券業協会「2021年度 証券投資に関する全国調査(個人調査)」
預貯金だけでは不十分
20代男女のどちらも、
預貯金だけでは十分な利息を期待できない
の回答が大半を占めていることがわかります。
……ということは、
銀行などの預貯金の利息だけじゃ、ぜんぜん期待できないなぁ。そうだ投資をしてみよう!
と内心で考えている20代の方が多いとも言いかえられるのです。
20代が資産運用をはじめる3つのメリット
もしかしたら、
20代から投資をはじめるって、早すぎなんじゃないの?
20代ならではの投資のメリットもあるのです。
1. 利益をさらに投資する「複利効果」
30代や40代よりも長期間で投資できるのが20代の強み。
そのために「投資の利益を使って、さらに投資する」複利の効果をフル活用しやすいといったメリットがあります。
順調に運用ができている状態であれば、長く投資をすればするほど投資資金(元本)は増えていきます。
複利運用の詳細については、こちらの記事で解説しています。
ぜひご覧ください。
2. ほかの20代よりもリードできる
20代からガッツリ投資しています!
といった人はまだまだ多くないのが現状。
そのために、ほかの20代よりも一足先に経験をつむことができるメリットがあります。
20代のうちに、相場を読む力や投資にまつわる情報収集の方法などを習得できれば、ほかの同年代よりもリードできるはず。
損失も経験にできる
はじめは損失をだしてしまうケースもあるかもしれません。
それも投資判断力を身につけるうえでは、良い経験になるといえるでしょう。
20代からの「複利」は有利
さきほど解説した複利も、ほかの20代と差をつけられるポイントのひとつ。
複利での運用が順調であればあるほど、投資資金(元本)はどんどん増えていきます。
投資金額や利回りなどの条件がおなじであれば、30代や40代からはじめた人が追いつくことはできません。
あとからスタートした人が差を縮めるためには、
投資金額を増やそう!
より利回りの高い方法で運用しよう!
などのようなハイリスクな手段をとらなければいけません。
早くはじめることは、それだけの大きいメリットとなるのです。
3. 損失を取り返しやすい
たとえ損失がでたとしても、労働による収入でカバーしやすいのは20代のメリット。
そのぶん働くことでの収入をもらえる期間が延びるためです。
定年退職する年齢を60歳とします。
働くことができる期間は
- 【20歳】残り40年
- 【40歳】残り20年
です。
金額でくらべると、より実感できるかもしれません。
2020年の日本人の平均年収は約433万円です。
出典: 国税庁 長官官房 企画課「令和2年分 民間給与実態統計調査」
もし、毎年おなじ年収で働き続けた場合、
- 【20年間勤務】8,660万円
- 【40年間勤務】1億7,320万円
と大きな差がでてしまいます。
これだけの差がでてくるようであれば、
20代は、それ以上の世代よりも損失を取り返しやすい!
といったメリットがあることがわかるでしょう。
20代からはじめられる3つの資産運用
ここからは、投資による資産運用の方法を3つ紹介します。
20代の方でもはじめられる資産運用の方法をまとめました。
そこまで月給が多くない……。
といった20代の方でもはじめやすいものをピックアップしています。
1. 投資信託
たくさんの投資家から資金をあつめて、株式や債券などに分散しながら投資してもらうのが投資信託。
投資の専門家に運用してもらうので、ほとんどなにもする必要がありません。
あの大企業にも投資できる
ふだん20代のみなさんが使っているかもしれない、AppleやNetflixなどの大企業にも投資できる銘柄もあります。
リーズナブルな金額で購入できる
1銘柄あたり約1万円からのリーズナブルな値段で購入できることもポイントです。
まだまだ知識や経験が足りない!
投資できる予算も少ない!
でも、とりあえず投資をしてみたい!
という20代の方には向いているかもしれません。
複利効果を活用する「分配金」
投資で得た利益を使って、さらに投資する「複利効果」は、投資信託でこそ本領を発揮します。
定期的に利益を山分けする「分配金」のしくみがあるためです。
分配金がない銘柄も
なかには、分配金のない銘柄もあります。
そのような銘柄は、
投資の利益はそのまま投資する!
という仕組みのため、
知らないあいだに複利効果をゲット!
している可能性もあるかもしれません。
注意点
投資信託の価格は、1日1回のみ更新されます。
株式投資のように、リアルタイムでの値動きを見ながらの取引ができないので注意してください。
2. 株式投資
応援したい株式会社に、直接投資するのが株式投資。
好きなブランドに投資してみたい!
どうせなら、ふだん使っているメーカーの株式を買ってみたいなぁ~。
などのような20代の方におすすめかもしれませんん。
デメリット
ただ、ひとつ大きなデメリットがあります。
日本企業の株式(日本株)を取引するためには、最低100株単位で購入しなければいけないのが基本です。
これでは、資金を準備するためのハードルが非常に高くなってしまいます。
「ミニ株取引」と「単元未満株」
そこで用意された制度が「ミニ株取引」や「単元未満株」。
ふつうの株式投資よりも少ない株数で購入できるため、ハードルが低くはじめられます。
- 【ミニ株取引】 10株単位
- 【単元未満株】1株単位
それほど資金を用意できない20代の方にはぴったりの制度といえるでしょう。
名称が変わることも
証券会社によって、ミニ株や単元未満株を取引できるサービスの名称が変わることも覚えておいてください。
注意点
値上がり益や配当金などを受け取れる可能性があるのは、ふつうの株式投資といっしょ。
ただ、株主優待を受けることは基本的にできません。
少ない金額での取引となるぶん、利益も少なくなりやすいことも忘れないようにしましょう。
3. 債券(個人向け国債)
国や企業などが、
お金を借りたい!
ときに発行するのが債券。
個人向け国債は、
その名のとおり
日本(国)が、個人の方にお金を借りたい!
ときに発行する債券です。
個人向け国債のしくみ
個人向け国債は、
- 半年ごとに、購入したぶんの利子を受けとる
- 満期がくれば、額面の金額が返ってくる
しくみです。
リスクが低い
支払った金額である元本や利子などを、国が保証しているのが国債。
そのために、いろんな金融商品のなかでも、とくにリスクが低いものとされています。
とにかく安全に投資してみたい!
という20代の方にはおすすめです。
リーズナブルに購入できる
個人向け国債は、1万円から購入できます。
これなら、
ふだんのファッションや趣味に使っているお金を、資産運用に使うのもいいかも~。
と思った20代のみなさんもいるのでは?
注意点
1. 換金するまでに時間がかかる
個人向け国債は、発行してから1年経過しなければ換金できません。
定期預金などのように、
一定期間はお金を引き出せません!
といったしくみです。
換金については、投資信託や株式投資などの金融商品よりもデメリットが多いので、注意してください。
2. 満期前の換金は注意
満期をむかえる前に換金すると、
直前2回分の各利子に相当する金額×0.79685
が引かれてしまいます。
こちらもあわせて注意してください。
資産運用をはじめる20代のみなさんへ
20代からはじめられる資産運用の方法について、解説しました。
資産運用をはじめるうえで、
20代という若さは武器
となります。
資産運用をはじめるときは、この強みをフル活用することがおすすめです。
ただ、どうしても知識や経験については、
30代以上の世代や、資産運用のプロに負けてしまう
マネカレや運営会社であるPWM日本証券は、20代のみなさんの投資知識や経験をサポートします。
とりあえず資産運用をはじめてみたい!
資産運用はしているけど、●●の部分が不安……。
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