利回りは投資信託の銘柄を選ぶうえでの指標のひとつです。
しかし、利回りの意味合いを正しく理解できていない方も多いのではないでしょうか?
投資用語には意味合いを理解しにくいものがたくさん存在するため、無理もありません。
そこで今回は、投資信託の利回りについてわかりやすく解説します。
さらに、利回りと意味合いを間違いやすい利率や騰落率・パフォーマンスといった投資用語も具体例を交えながらご紹介します。
投資信託の利回りってどんな意味?
投資信託の利回りは、投資金額に対する収益の割合のことです。
リターンと呼ばれる場合もあります。
一般的な預金は預金額に対して◯%と利率が決まっているため、最初から利回りがわかります。
しかし、投資信託の利回りは過去の実績から算出するため、一般的な預金の利回りとは異なることが特徴です。
また、投資信託の利回りは将来得られる利益を保証するものではないため、投資するうえではあくまでも目安のひとつとすることが重要です。
投資信託の利回りは運用会社が発行する運用レポートでチェックできます。
運用レポートは、PWM日本証券のホームページからも確認可能です。
利回りの計算方法
利回りを求める計算式
利益の合計(分配金+譲渡損益)÷投資額÷運用年数×100=利回り(%)
試しに以下の例で利回りを算出してみます。
- 分配金:年間2万円
- 譲渡益:1万円
- 投資額:50万円
- 運用年数:1年
(2万円+1万円)÷50万円×1年×100=6%
利回りは6%と算出されました。
利回りと間違いやすい3つの投資用語
投資初心者が利回りと意味合いを間違いやすい投資用語があります。
次の3つです。
- 利率
- 騰落率
- パフォーマンス
次は、それぞれが正しくはどんな意味合いを持った用語なのかをご紹介します。
利率とは
利率は、額面金額に対して毎年受け取る利子の割合のことです。
主に預金や債券で使われる用語で、表面利率ともいわれています。
投資信託では基本的に使われません。
また、投資信託は預金等とは仕組みが異なるため、利子がない代わりに分配金があります。
投資信託の利回りは、この分配金と譲渡損益の総額から算出されます。
騰落率とは
騰落率は、基準価額(投資信託の値段)が一定期間内にどのくらい値上がりしたか・値下がりしたかをパーセンテージ(%)で示したものです。
前日比・1カ月・3カ月・半年・1年など、さまざまな期間で示されます。
騰落率を求める計算式は以下の通りです。
1年間の騰落率を求める計算式
(当日の基準価額-1年前の基準価額)÷1年前の基準価額×100=騰落率(%)
簡単な例で騰落率を算出してみます。
- 当日の基準価額: 1万円
- 1年前の基準価額: 7,000円
(1万円-7,000円)÷7,000円×100=42.86%(小数点第三位で 四捨五入)
1年間の騰落率は42.86%と算出されました。
パフォーマンスとは
パフォーマンスは、各銘柄の運用成果・成績、過去の値動きのことです。
ベンチマークと比較して、値上がりしたか・値下がりしたかで良し悪しを判断します。
ベンチマークは投資信託を運用する際の指標です。
たとえば日本株が主な投資対象の投資信託なら、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などがベンチマークとされます。
米国株が主な投資対象の場合は、NYダウやS&P500、ナスダック総合指数などがベンチマークとされます。
(最近はベンチマークを設定しない投資信託も増えてきています。)
利回りの高い銘柄はリスクの高さにも注意
一般的に利回りが高い銘柄はリスクも高いといわれているため注意が必要です。
リスクのひとつには価格変動リスクがあります。
価格変動リスクは、投資信託に組み入れられている資産(株式や債券など)の価格が変動することで基準価額も変動するリスクのことです。
大きな利益を期待できる資産が組み入れられている場合は、価格変動リスクも大きくなりやすいことが特徴です。
反対に見込める利益が小さい資産の場合は、価格変動リスクも小さくなる傾向があります。
このように、リスクと一口にいっても特徴があるため、銘柄を選ぶ際は利回りだけでなくリスクの内容を把握しておくことも重要です。
リスクを抑えて投資する3つの方法
利回りが高い銘柄はリスクも高いといっても、投資したい場合はどうすれば良いのでしょうか?
そんなときは、次の3つの方法を参考にしてみてください。
- 長期投資
- 積立投資
- 分散投資
長期投資
長期投資は、短期投資に比べて収益の振れ幅(リスク)が小さくなるといわれています。
投資期間が長期になるほど収益は安定する可能性もあり、値下がりするリスクを抑えるのに役立つと考えられます。
また、短期投資は売買の回数が増える分、売買のタイミングを間違えて損失を出ことがデメリットです。
しかし、長期投資なら細かく売買することはないため、そのデメリットを減らすことができます。
積立投資
積立投資は、同じ銘柄を定期的に一定額購入する方法です。
値上がりするときは購入量を少なめに、逆に値下がりするときは購入量を多めにできることが特徴です。
これにより平均購入単価を抑えたり、高値掴み(相場の高いところで購入し、その後値下がりする状態)を防いだりする効果が期待できます。
そして、大きな価格変動があっても影響を受けにくくできると考えられます。
PWM日本証券の投資信託積立プログラム「アセット・アクセル」なら、少ない手間での積立投資が可能です。
月々1万円からの積立投資で、一度手続きすれば自動で積立投資が継続されるため、長期投資もしやすいです。
分散投資
投資信託は1銘柄のなかに複数の資産が組み入れられているため、1銘柄にだけ投資しても分散投資効果を得やすい要素を持っています。
しかし、複数銘柄でポートフォリオを構築すれば、分散投資効果はより高まると考えられます。
ここでご紹介したいのが投資の有名な格言です。
「卵は一つの篭(カゴ)に盛るな」
卵をひとつのカゴに盛ると、落としたときにすべて割れてしまいます。
しかし、複数のカゴに分けて盛れば、ひとつのカゴを落としてもほかのカゴの卵は影響を受けない、との意味です。
分散投資はリスク管理においてはとくに重要な要素です。
大きな損失を出さずに済むよう、まずはポートフォリオを作るところから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
多くの人にとって利回りが高い銘柄は魅力的に見えるでしょう。
しかし、利回りが高ければリスクも高い可能性があります。
リスクを抑えるには長期投資や分散投資がポイントです。
とはいえ、投資初心者が最初から自分の力だけで長期投資や分散投資するのはややハードルが高いと考えられます。
そんなときは、投資のナビゲーターであるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談してみましょう。
長期にわたって資産運用をサポートしてくれますし、分散投資に欠かせないポートフォリオの提案もしてくれます。
基本的に相談料はかからないため、利回りの高い銘柄に投資したいけどリスクが心配という方はこの機会に相談してはいかがでしょうか。