投資信託で利益を出すための4つのポイント

投資信託での資産運用 を始めても、何となく取り組んでいてはなかなか利益を得られないでしょう。
利益が出ないと継続もしにくいですよね。

投資信託での資産運用を成功させるには、ポイントを押さえて取り組むことが重要です。

そこで今回は、投資信託で利益を出すための4つのポイントをご紹介します。
分配金を受取る&再投資するメリット・デメリットもお伝えしますので、投資信託で利益を出したい方は一緒に見ていきましょう。

投資信託で利益を出すための4つのポイント

利益を出す」とかんたんにいっても具体的にはどうすれば良いのでしょうか?
投資信託で利益を出したい方は、次の4つのポイントを意識してみましょう。

  1. 長期投資する
  2. 積立投資する
  3. 分散投資する
  4. NISA口座を利用する

長期投資する

長期投資とは、数年~数十年程度の期間で投資することです。

複利

長期投資には複利効果を活かせるメリットがあります。

複利による利益とは、投資元本に運用利益をプラスして、その合計から利益が発生することです。
運用がうまく行けば投資元本は雪だるま式に大きくなるため、利益が利益を生む仕組みを構築することが期待できます。

投資期間が長くなるほど複利効果は高まるため、単利よりも利益を出しやすくなると考えられているのです。

単利

単利とは、投資元本のみから利益が発生することです。

複利効果を得るには、

  • 投資信託から支払われる分配金を再投資に回す
  • もしくは分配金のないタイプを選ぶ

必要があります。
投資信託は銘柄によって分配金が「ある」タイプと「ない」タイプに分かれるため、あらかじめ「ない」タイプを選ぶことがポイントです。

積立投資する

積立投資は、同じ金融商品(投資信託を含む)に一定のタイミングで一定額を投資する方法です。
ドルコスト平均法とも呼ばれる投資手法ですが、続けることで平均購入単価が極端に高くなることを防ぐ効果が期待できます。
全ての投資資金を一度に投資した場合のリスクである 高値掴み(相場の高いところで購入し、その後値下がりする状態)を避けられることも特徴です。

これにより積立投資は買うタイミングを間違えるリスクを軽減できる可能性があり、利益を出すことに貢献できる方法だと考えられます。

一度申し込めば買付は自動的に継続されるため、購入するタイミングを毎回考えずに済むなどのメリットもあります。

マネカレの運営会社であるPWM日本証券でも積立投資が可能です。
ドルコスト平均法を活用し、月々1万円から利用できる投資信託の積立プログラム「アセット・アクセル」を提供しているため、ぜひ検討してみてください。

分散投資する

投資信託は元々1銘柄が複数の投資対象で構成されているため、分散投資効果が期待できる金融商品です。

そのため、効果的に値動きの異なる投資信託の投資銘柄を増やせば、より高い分散投資効果が期待できます。
高められた分散投資効果によってリスクが下がれば、結果的に利益を安定して 出しやすくなると考えられます。

複数の投資信託に分散投資する際のポイントは、投資地域や投資対象を分散させることです。
こうすることで、投資信託の構成資産同士が同じ 影響を受けにくい環境を構築できる可能性があります。

たとえば、

  • 日本のみが投資対象だった場合は海外を投資対象としている銘柄も利用する
  • 株式のみが投資対象だった場合は債券が投資対象の銘柄も利用する

といった具合です。

NISA口座を利用する

NISAは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。
通常の投資利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資信託を購入すれば、運用利益はすべて受取れるようになります。

つまり、NISA口座を利用するだけで、利益が出た際、 手元に残る利益は増えるのです。

NISA口座は無料で開設できるため、余計なコストもかかりません。

3種類のNISA

NISAには、

  1. 一般NISA
  2. ジュニアNISA
  3. つみたてNISA

の3種類があり、利用できる投資枠や税金がかからなくなる期間(非課税期間)は異なります。

利用できる方 非課税投資枠 非課税期間
一般NISA 20歳以上の方 120万円 最長5年間
ジュニアNISA 0~19歳の方 80万円 最長5年間
つみたてNISA 20歳以上の方 40万円 最長20年間

(*1) ジュニアNISAは2023年末で終了します。
(*2) 2023年1月1日より20歳と記載の箇所は18歳・19歳と記載の箇所は17歳となります。

なお、つみたてNISAの投資対象商品は、金融庁の基準を満たした投資信託とETFのみに絞り込まれています。

投資信託で利益を得る2つの仕組み

次は、投資信託での運用で はどのように利益を得るのか、その仕組みを見ていきましょう。
投資信託の運用を通じて得られる利益は主に次の2つです。

  1. 基準価額の値上がり益
  2. 分配金の支払い

基準価額の値上がり益

基準価額とは、投資信託の価格のことです。

投資信託は基準価額を元に取引が行われ、購入したときよりも売却するときの基準価額の方が高ければ、値上がり益を得られます。
もし購入したときよりも売却するときの基準価額の方が低ければ、損失となります。
(分配金を受け取っていない前提)

ちなみに基準価額の変動要因は、分配金の支払い・組入資産の価格変動・投資信託の運用費用の支払いの3つです。

分配金の支払い

分配金とは、投資信託の決算日に投資家に支払われるお金のことです。
基本的に運用利益のなかから支払われるもので、決算日や金額は銘柄ごとに異なります。
また、運用実績によって増額されることもあれば減額されたり、支払われないること もあります。

分配金が「ある場合」と「ない場合」

ただし、銘柄によっては分配金に注意が必要です。
すでに解説しましたが、投資信託は銘柄によって分配金が「ある」タイプと「ない」タイプに分かれます。

分配金がないタイプ

分配金が「ない」タイプは運用利益を投資家に分配せずに再投資することが特徴です。
そのため、分配金が「ない」タイプで得られる利益は値上がり益のみです。

分配金があるタイプ

また、分配金が「ある」タイプでも、投資環境によって分配金の支払いの有無が変わる点に注意する必要があります。

分配金を受取る&再投資するメリット・デメリット

メリットとデメリットが描かれた床

分配金についてもう少し詳しく見ていきましょう。
分配金が「ある」タイプと「ない」タイプは、どちらを選ぶのが正解なのでしょうか?

それぞれのタイプのメリット・デメリットをご紹介します。

  • 分配金を受取るメリット・デメリット
  • 分配金を再投資するメリット・デメリット

分配金を受取るメリット・デメリット

分配金を受取るメリット

分配金を受取るメリットは、定期的な利益確保になることです。
運用状況が順調で分配金が支払われる場合は、税金分が差し引かれた金額を受取ることができます。

分配金を受取るデメリット

対してデメリットは、投資信託としての資産が減ることです。
分配金は投資信託の運用資産から支払われるため、利益を生み出す元手は減ってしまいます。
そのため、複利的な効果が得られず 運用効率の面では分配金の支払いはデメリットとなるのです。

ただし、分配金が「ある」タイプは、投資信託を購入する時点で分配金の取り扱い方法を再投資とすることも可能です。

短期的な利益を重視するか、それとも運用効率を重視するかは運用目的に合わせて選びましょう。

分配金を再投資するメリット・デメリット

分配金を再投資するメリット

分配金を再投資するメリットは、複利効果が期待できることです。
運用が順調であれば、得られる利益は徐々に大きくなる可能性があります。

再投資は自動的に行われるため、手間もかかりません。
また、分配金が「ない」タイプは再投資する際の購入時手数料が不要です。

分配金を再投資するデメリット

反対にデメリットは、投資信託を解約するまで手元に利益が入らないことです。

分配金が「ない」タイプは、利益を得る主な手段が値上がり益しかありません。
基準価額が下がり続ければ、購入当初の基準価額を下回る可能性も考えられます。
そうなれば、利益はまったく得られなくなります。

投資信託で利益確定をする 5つのタイミング

保有中の投資信託の利益をいつ確定させたら良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで次は、投資信託で利益確定をするタイミングをご紹介します。

  1. 目標金額に到達したとき
  2. ライフイベントが発生したとき
  3. リバランスが必要になったとき
  4. ほかの金融商品に投資したくなったとき
  5. 将来性が見込めなくなったとき

目標金額に到達したとき

まず、

  • 10%の利益が出たら
  • ◯◯万円の利益が出たら

といった目標金額に到達したタイミングが1つのメドとなります 。

このとき、目標金額に到達したら迷わず解約することがポイントです。
まだ利益が出そうと欲を出すのは危険です。
売りどきを逃してしまうかもしれません。

もちろん、その後も良好な運用が期待できると判断した場合は、継続投資しても良いでしょう。

解約時に迷わないためにも、運用を始める際はきちんと目標金額を設定するとともに、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)のような頼れる相談相手を見つけておきましょう 。

ライフイベントが発生したとき

  • 子どもの進学費用
  • マイホームの購入
  • 病気での入院
  • 車の購入
  • 親の介護

など、まとまったお金が必要になったときも利益確定をする タイミングです。

投資信託は一度にすべてを解約する必要はなく、部分的な解約でも構いません。
もし部分的な解約で済む場合は、運用目的を老後資金のため等、再設定するのも良いでしょう。

このようなライフイベントのために資産運用を始める人は多いため、目標金額を決める際の目安とするのもひとつの方法です。

リバランスが必要になったとき

当初のポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)の比率が崩れて、リバランスが必要になったときも利益確定をする タイミングです。
リバランスとは、ポートフォリオのバランスが崩れたときに資産配分の比率を当初の計画どおりに戻すことです。

比率が崩れたままだとリスクを分散させづらくなり目標としていた運用ができなくなるため、一部を利益確定させたり追加投資をしたりして整え直す必要があります。

リバランスの例

簡単かんたんなリバランスの例をご紹介します。

投資信託Aと投資信託Bを10万円ずつ購入し、2銘柄でポートフォリオを構築しました。
このとき投資信託AとBの比率は1:1です。

その後、投資信託Aが値上がりして30万円になったため、当初の比率は崩れました。

そこで投資信託Aの値上がり益20万円のうち10万円分を解約し、解約代金10万円で投資信託Bを追加購入します。
すると、投資信託Aは20万円、投資信託Bも20万円となり、比率は1:1に戻りました。
これでリバランスは完了です。

ほかの金融商品に投資したくなったとき

人によっては、新たな投資資金を作るために利益確定をする場合もあります。

現在保有している投資信託より利益が出せそうな金融商品を見つけた際に、現在保有している投資信託の利益を確定させて、解約代金を元手に新たな投資商品を購入するような例です 。

ただし、ほかの投資信託に乗り換える場合は注意が必要です。
似たような値動きの銘柄の場合は購入時手数料の分だけ運用資金が少なくなるため、あまり意味がないと考えられます。

購入時手数料が不要な銘柄もありますが、十分確認してから乗り換えることが重要です。

将来性が見込めなくなったとき

投資信託の運用が不調と判断したときも、利益確定をするタイミングといえるでしょう。

純資産総額も判断基準

運用の良し悪しを判断する際に目安のひとつとできるのは「純資産総額が減っているかどうか」です。
純資産総額は、投資信託の規模をあらわすものです。

純資産総額の減少は、投資対象が値下がりしていたり、過度に分配金が支払われていたり、解約が相次ぎ投資資金が流出していたりといった理由から起こるため、減少が続くことは、良くない兆候である可能性があります。

繰上償還

また、純資産総額が減少している銘柄は、繰上償還されることも考えられます。
繰上償還とは、あらかじめ決められていた信託期間(投資信託の運用期間)が終了する前に、投資信託の運用が終了することです。

こうなればタイミングの良し悪しに関係なく損益を確定することに なるため、将来性が見込めないと判断した場合は早めに利益確定をした方が良いかもしれません。

純資産総額の減少は一時的な場合も

ただし、純資産総額の減少は一時的なもので済む場合もあるため、最終的には総合的な視点で判断することが重要です。

投資信託で利益にかかる税金

最後は税金についてです。

投資信託の値上がり益や分配金には20.315%の税金がかかります。
ただし、分配金には税金がかからない種類もあります。

普通分配金に税金がかかる

分配金は普通分配金と特別分配金に分けられますが、税金がかかるのは普通分配金です。

分配金を判断するためのポイント

受取った分配金がどちらになるかを判断するポイントは、購入時の基準価額決算日の基準価額にあります。

シミュレーション

たとえば購入時の基準価額が1万円で、決算日の基準価額が1万3,000円なら受取った分配金は普通分配金です。
(分配金額が3,000円以内であることが条件)

しかし、購入時の基準価額が1万円で、決算日の基準価額が9,000円なら受取った分配金は特別分配金となります。
つまり、投資家毎に 利益が出ているか損失が出ているか、によって判断されているのです。

確定申告は必要?

投資信託を利用できる口座は、

  1. 特定口座(源泉徴収あり)
  2. 特定口座(源泉徴収なし)
  3. 一般口座
  4. NISA口座

の4種類ですが、口座の種類によって確定申告が必要かどうかは変わります。

確定申告の必要性

特定口座(源泉徴収あり) 不要
特定口座(源泉徴収なし) 必要
一般口座 必要
NISA口座 不要

特定口座(源泉徴収あり)

特定口座(源泉徴収あり)は、口座開設している金融機関によって源泉徴収されるため確定申告は不要です。

源泉徴収は、事業者があらかじめ利益から税金を差し引くことです。

特定口座(源泉徴収なし)

特定口座(源泉徴収なし)と一般口座は、自分で確定申告する必要があります。
といっても、特定口座(源泉徴収なし)は金融機関から交付される特定口座年間取引報告書を元に申告できるため、一般口座より楽に手続きできます。

一般口座

一般口座は、自身で年間のすべての損益計算をしたうえで確定申告しなければなりません。

NISA口座

NISA口座は投資利益に税金がかからないため、確定申告は不要です。

投資信託で利益を出すための運用目標

投資信託で利益を出すためには、長期投資・積立投資・分散投資・NISA口座の4つがポイントです。

ただし、運用目標があいまいな状態で取り組むのは良くありません。
運用目標が決まっていない場合は、まずは何のためにどのくらいの期間取り組むのか、資産運用に充てられるお金はいくらか、リスクの許容範囲はどのくらいか等などを明確にすることが大切です。

ひとりで運用目標を立てるのが難しい場合は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談してみましょう。
IFAは中立の立場からあなたに合った運用プランを提案してくれます。
投資信託で利益を得たい方は、ぜひご相談してみてください。

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この記事の監修者

 マネカレ編集部

マネカレ編集部による編集記事です。
マネカレは、2021年9月に開設された資産運用情報メディア。
今後も資産運用やIFAなどに関するさまざまな記事を配信してまいります。

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