AppleやAmazonなど、米国の企業に投資したい場合は米国ETFという選択肢があります。
米国ETFなら個別株を購入せずとも、GAFA (Google・Apple・Facebook・Amazonの頭文字を集めた呼称)と呼ばれる世界的企業の株主になれるのです。
また、米国ETFを購入する場合はNISAを利用するのも忘れてはいけません。
この記事では、米国ETFをNISAで購入するメリットと、米国ETFの4つの特徴をご紹介します。
あわせて米国ETFが向いていないと感じた方のための投資方法もお伝えします。
投資に興味を持ちはじめた方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
今後の動向によって、情報発信・更新を随時行う予定ですので、引き続きマネカレをご利用ください。
最新情報などをはじめとしたご質問については、マネカレのお問合せフォームまたはPWM日本証券 (運営会社)で受付中です。
目次
米国ETFとNISAについて
米国ETFやNISAという言葉は知っていても、その中身まで理解していないという方は多いのではないでしょうか?
まずは米国ETFとNISAとはどんなものかを見ていきましょう。
あわせて米国ETFをNISAで購入するメリットもご紹介します。
米国ETFとは
米国ETFとは米国の証券取引所に上場している投資信託のことです。
さまざまな指数 (インデックス)に連動するように運用されています。
指数とは、市場全体や特定の銘柄群の値動きを、1つの値に数値化したものです。
どの指数を採用するかで、運用方法やリターンが異なります。
米国ETFの代表的な指数には、NYダウやS&P500などがあります。
指数は市場全体や特定の銘柄群で構成されているため、米国ETFの購入は複数銘柄に投資しているようなものです。
つまり、分散投資の効果が得られます。
NISAとは
NISAとは、2014年1月にスタートした少額投資非課税制度のことです。
株式や投資信託に投資して得られた利益が非課税となります。
NISAには、
- 一般NISA
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
の3種類があり、非課税投資枠や非課税期間はそれぞれ異なります。
利用できる人 | 非課税投資枠 | 非課税期間 | 投資可能期間 | |
---|---|---|---|---|
一般NISA | 日本に住んでいる20歳以上の人 | 120万円 | 最長5年間 | 2014年~2023年 |
つみたてNISA | 日本に住んでいる20歳以上の人 | 40万円 | 最長20年間 | 2018年~2037年 |
ジュニアNISA | 日本に住んでいる0~19歳の人 | 80万円 | 最長5年間 | 2016年~2023年 |
一般NISAとジュニアNISAのみ米国ETFを購入でき、つみたてNISAは米国ETFを購入できません。
米国ETFをNISAで購入するメリット
一般NISAを利用して米国ETFを購入すれば、投資額が120万円以内なら5年間は利益に対して税金がかかりません。
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。
仮に10万円の利益が出た場合、2万315円が税金として差し引かれ、手元に残るのは7万9,685円です。
しかし、NISAを利用すれば、10万円すべてが手元に残ります。
米国ETFに投資すれば必ず利益が発生するわけではありませんが、より賢く資産運用するには、NISAはぜひ活用してほしい手段といえます。
ですが、後述する米国ETFの特徴に関連することですが、米国ETFには為替リスクや米国の税金などのデメリットもありますので、注意してください。
米国ETFの4つの特徴
ここからは、投資をするうえで覚えておきたい米国ETFの特徴をご紹介します。
米国ETFの特徴は以下の4つです。
- リアルタイム取引が可能
- 為替リスクがある
- 分配金の再投資は自ら行う
- 米国の税金がかかる
リアルタイム取引が可能
米国ETFは証券取引所が開いている時間なら、株式と同じようにリアルタイム取引が可能です。
価格の変化を見ながら取引できるため、利益が出せそうなタイミングを逃しにくいといえます。
1日に何度でも取引できることも特徴です。
通常の投資信託 (非上場)の取引は1日1回ですが、この場合相場が急落すると素早く対応することは難しいです。
しかし、ETFならすぐに売り注文を出すことができます。
一方、リアルタイムで価格が動くことや、1日に何度も取引できることが、投資の基本である長期投資をする上では障害となることもあることに注意が必要です。
為替リスクがある
米国ETFは米ドルベースの金融商品のため、為替リスクがあります。
米国ETFを購入する場合、円を米ドルに換金する必要があります。
つまり、円安や円高によって、米国ETFの価格は変わっていなくても円ベースの時価は高くなったり安くなったりするのです。
米国ETFの米ドルベースの購入価格が10ドルで変わらないとして、為替が1ドル=100円から200円になったときと50円になったときで見てみましょう。
1ドル=100円の時の購入価格は1,000円だった米国ETFが、1ドル=200円(円安)になれば、購入価格2,000円になります。
1ドル=100円が1ドル=50円(円高)になれば、購入価格は500円で済みます。
このように、円とドルの相対的価値の変化が影響するのです。
また、換金の際は、所定の為替手数料が発生することも併せて覚えておきましょう。
分配金の再投資は自ら行う
ETFは通常の投資信託 (非上場)とは異なり、分配金は自動で再投資されません。
ETFの分配金は、信託報酬や諸経費を差し引いて、決算時にすべてが分配される仕組みです。
効率よく資産運用するには、発生した利益を再投資して複利効果を狙うことも大切です。
しかし、ETFには再投資の仕組みがありません。
再投資したい場合は、自ら行う必要があります。
このように、取引に手間がかかる点もETFのデメリットであるといえるでしょう。
また、自ら再投資する場合は買付手数料や先述した為替手数料が発生することを覚えておきましょう。
米国の税金がかかる
米国ETFを購入して利益が発生した場合、米国と日本それぞれで税金がかかります。
売却益に対しては日本のみの課税ですが、分配金に対しては米国と日本の両方で課税されます。
税率は米国で10%、日本で20.315%です。
NISAを利用していれば、日本の20.315%はかかりません。
米国の税金についても、通常であれば確定申告で外国税額控除を申請すれば還付されます。
しかし、NISAでは外国税額控除が適用されません。
NISAは非課税制度ではあるものの、米国ETFの分配金には米国の税金(10%)がかかることに注意してください。
米国ETFが向いていない人には投資信託がおすすめ
自分に米国ETFは難しそうだな。
そう感じた方には投資初心者でも取り組みやすい投資信託がおすすめです。
投資信託をおすすめする理由は次の4つです。
- 投資信託は取引価額の算出が1日1回
- 積立投資しやすい
- つみたてNISAを活用できる
- 分散投資しやすい
投資信託は取引価額の算出が1日1回
米国ETFは1日何度でも取引できます。
対して投資信託は購入や換金する際の価格(基準価額)が算出されるのは1日1回のみのため、取引回数も1日1回です。
投資信託は米国ETFのリアルタイム取引とは異なり常に価格を気にする必要がないため、落ち着いて運用できます。
それに、常に値動きが見えてしまうと投資のノイズとなり、継続するうえで邪魔になることもあります。
資産運用の基本は長期投資です。
長期投資を実践するには、まずは落ち着いて取り組める投資信託からはじめてみるのがおすすめです。
積立投資しやすい
投資信託なら毎月定額を積み立てる積立投資が可能です。
投資初心者にとって購入するタイミングを判断するのは難しいものです。
しかし、積立投資なら毎月自動で購入してくれるため、自分で判断する必要がありません。
また、積立投資の購入方法はドルコスト平均法を応用したものです。
ドルコスト平均法とは、一定金額ずつ継続して投資することで平均買付単価を引き下げる効果が期待できる投資手法です。
価格が下がったときは多くの口数を購入し、価格が上がったときには少ない口数を購入します。
結果として平均買付単価を下げられるのです。
変動する価格や感情にも左右されないため、投資初心者にとっては大きなメリットがあります。
つみたてNISAを活用できる
投資信託は積立投資に向いている金融商品ですが、NISAには積立投資に特化したつみたてNISAがあります。
つみたてNISAは一般NISAよりも非課税投資枠が少額の40万円に設定された非課税制度です。
運用できる金融商品は、金融庁が選定した投資信託約200銘柄です。
非課税投資枠内で購入した投資信託で利益が出ても税金はかからないため、賢く資産運用できます。
非課税期間も最長20年間と設定されているため、長期で資産運用したい方にはおすすめの制度といえるでしょう。
分散投資しやすい
米国ETFにも分散投資の効果はありますが、投資信託でも同様の効果を得ることが期待できます。
投資信託の仕組みは、個人投資家からお金を集めて運用のプロが株式や債券などに分散投資する、というものです。
運用は投資家個人ではなくファンドマネージャーと呼ばれるプロが行うため、投資の知識が少ない初心者でも安心して購入できます。
投資信託は1円単位でも投資できるため、資金に合わせた分散投資が容易なことも特徴です。
投資信託の運用方法は2種類
投資信託にはインデックス型とアクティブ型の2種類の運用方法があります。
運用方法によって目指す投資成果や必要なコストは変わってきますので、それぞれの違いを把握しておきましょう。
インデックス型
インデックス型の投資信託は、特定の指数(インデックス)に連動するように運用されます。市場全体や特定の銘柄群の値動きに沿って運用されるため、指数と連動した投資成果が期待できます。
とはいえ、連動が目標であるために指数の動きを超えるような大きな利益は期待できません。
運用にはそれほど手間がかからないため、アクティブ型に比べてコストは安めです。
アクティブ型
アクティブ型の投資信託は、目標指数 (ベンチマーク)などを上回る運用成果を目指します。
特定の指数が10%値上がりしたら20%を目指す、といった具合です。
そのため、インデックス型よりも大きな利益を得られる可能性があります。
(最近のアクティブ型の投資信託では、対象指数 (ベンチマーク)を設定しないことが多くなっている)
ただし、その分リスクも大きくなるため、インデックス型と違い指数の下落以上の損失を出す可能性があります。
また、アクティブ型はファンドマネージャーが銘柄選定や運用を行います。
そのほか企業調査を行うアナリストや戦略を立てるストラテジストなど、多くの人が関わります。
人件費等がかかるため、インデックス型よりもコストは高めに設定されています。
米国株は将来性が期待できる
米国ETFや投資信託で投資をはじめるのなら、注目すべきは米国株です。
GoogleやFacebookといった世界的企業があることや人口の多さなど、米国株には将来性を期待させる要因が多く存在します。
米国株は日本株の約7倍の市場規模があることも特徴です。
また、米国の公用語は英語のため、米国以外が商圏に含まれることも魅力といえます。
たとえば新たなWEBサービスが開発されれば、米国を含めた英語圏すべてのマーケットをターゲットにできます。
このような要因から、米国株の動向は常にチェックしておいたほうが良いでしょう。
まとめ
米国ETFを購入する際にNISAを利用すれば、投資で得た利益に対して税金がかかりません。
また、米国ETFの特徴は、リアルタイム取引可能なことや為替リスクがあることなどです。
自分にはハードルが高いと感じる方には、投資信託がおすすめです。
とはいえ、投資初心者には投資信託の商品選びや運用方法が難しい場合もあります。
そんなときは、IFA (独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談してみましょう。
IFAはどの金融機関系列にも属していないため、中立な立場から商品選びや運用方法をアドバイスしてくれます。
賢く資産運用するためにも、ぜひIFAに相談してみてください。