投資信託の銘柄を選ぶときは、信託報酬に注目する人も多いのではないでしょうか?
信託報酬は間接的にかかる手数料のため、支払っている意識をもちにくいことが特徴です。
とはいえ、安い銘柄を選べば良いともかぎりません。
今回は、そんな投資信託の信託報酬について詳しく解説します。
信託報酬は安い方が良いとはかぎらない理由もお伝えしますので、投資信託の手数料負担が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
今後の動向によって、情報発信・更新を随時行う予定ですので、引き続きマネカレをご利用ください。
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投資信託の信託報酬とは?
信託報酬は、投資信託の保有中に毎日かかる手数料です。
投資信託は、投資の専門家に運用してもらう金融商品。
運用・管理を代行してもらうための手数料として、信託報酬を支払う必要があります。
信託報酬は間接的な費用
信託報酬は、信託財産(投資信託の資産)から差し引かれます。
そのため、直接的に信託報酬を支払うことはありません。
信託報酬は、銘柄によって異なります。
一般的な相場は、純資産総額に対して年率0.5~2.0%が目安です。
信託報酬の分配先
そして、信託財産から徴収された信託報酬は、次の3社に分配されます。
- 販売会社
- 信託銀行
- 運用会社
分配比率の例
信託報酬率1.54%とした場合の内訳を見てみましょう。
内訳
販売会社 | 0.75% |
---|---|
信託銀行 | 0.04% |
運用会社 | 0.75% |
信託報酬の計算方法
信託報酬の具体的な金額は、自分が保有している投資信託の残高に信託報酬の比率をかけて算出できます。
信託報酬は、1年あたりの金額で記載するのが一般的です。
1年あたりの信託報酬の計算方法
- 投資信託の残高×信託報酬(〇%)
1日あたりの信託報酬の計算方法
1日あたりの信託報酬は、365日で割ることで計算できます。
- 1年間の信託報酬額÷365日
計算例
例として、信託報酬が1.0%の銘柄を50万円分保有していた場合の計算式を見てみましょう。
計算式
年間の信託報酬 | 50万円×1.0%×10%(消費税)=5,500円 |
---|---|
1日あたりの信託報酬 | 5,500円÷365日=約15円 |
信託報酬は運用スタイルによって異なる
アクティブ運用のほうが高い傾向
投資信託の運用スタイルはインデックス運用とアクティブ運用の2種類がメインです。
信託報酬については、アクティブ運用のほうが高い傾向にあります。
アクティブ運用の信託報酬が高い傾向がある理由
なぜインデックス運用よりも、アクティブ運用のほうが高い信託報酬となる傾向があるのでしょうか?
インデックス運用
まずインデックス運用は、特定の指数(ベンチマーク)への連動をめざす運用スタイルです。
アクティブ運用
それに対してアクティブ運用は、特定の指数や市場全体よりも上回る成績をめざします。
さらにアクティブ運用の特徴を見ていきましょう。
アクティブ運用は、それぞれのファンド独自の戦略にもとづいて、銘柄選定や売買を行います。
そのために、インデックス運用よりも手間がかかってしまうために、アクティブ運用の信託報酬が高い傾向があるのです。
信託報酬は安い方が良いとは限らない?
投資初心者は、信託報酬が安いことのみを理由に銘柄を選びがち。
信託報酬の安さのみを基準に銘柄を選ぶのは、必ずしもおすすめできません。
その理由をそれぞれ見ていきましょう。
おすすめできない2つの理由
1. 運用成績と信託報酬は関係ない
信託報酬が安くても、運用成績が良くない銘柄もあるためです。
逆に、信託報酬が高くても、運用成績の良さによって、それ以上の利益を得ることができる銘柄もあります。
2. めざす成果がちがう
また、運用スタイルが異なる銘柄を比較するのもあまり意味がないと考えられます。
インデックス運用とアクティブ運用は、めざす成果が別々なためです。
各条件を照らし合わせながら比較しよう
信託報酬で比べる場合は、過去の運用実績や商品・運用スタイルなどの条件が同じかどうかをチェックしましょう。
投資初心者でも比較しやすいのが信託報酬。ただ、信託報酬のみで判断しないように気を付けてください。
信託報酬以外にもかかる2つの手数料
投資信託を利用する場合は、信託報酬のほかにも2つの手数料が必要です。
どのようなときにかかる手数料なのかを、詳しくご紹介します。
1. 購入時手数料
購入時手数料は、投資信託を購入する際にかかる手数料です。
信託報酬とのちがい
投資信託の購入代金とは別に、販売会社に支払う手数料となっています。
手数料の目安
購入代金の0~3%が一般的です。
近年は購入時手数料がかからないノ―ロードファンドと呼ばれるものも増えています。
手数料の基準
交付目論見書に書かれた割合の上限さえ超えなければ、販売会社が自由に手数料を設定できることが特徴です。
そのためにおなじ投資信託でも、販売会社によって購入時手数料が異なるケースもあります。
2. 信託財産留保額
信託財産留保額は、投資信託を解約する際にかかる手数料です。
手数料の目安
基準価額(投資信託の値段)の約0.3%が一般的。
なかには不要な銘柄もあります。
支払いタイミング
信託財産留保額は、解約代金から差し引かれます。
そのために、別途費用として支払う必要はありません。
信託報酬といっしょですね。
信託財産留保額の目的
信託財産留保額には、投資信託を解約する人が、これからも保有し続ける人に迷惑をかけないように残していくお金といった意味合いがあります。
投資信託を解約する場合は、運用会社が解約代金を用意します。
そのために投資信託に組み入られている株式などの資産を売却しなければいけません。
もちろん、売却には手数料が発生します。
このとき、売却にかかった手数料を信託財産から徴収してしまうと、保有し続ける人は何もしていないのに損をしてしまいます。
しかし、解約する人が手数料分(信託財産留保額)を投資信託に残していけば、保有し続ける人には迷惑がかからない仕組みです。
このような背景をもとに用意されたのが、信託財産留保額なのです。
信託報酬の安い投資信託をさがすには?
投資信託にかかる信託報酬は、銘柄ごとによって違います。
信託報酬が安い銘柄を効率的にさがす方法はあるのでしょうか?
つみたてNISAの場合
つみたてNISAとよばれる制度の対象銘柄は、信託報酬が一定の率以下のものに絞り込まれています。
そのために、信託報酬の負担を抑えたい場合は、つみたてNISAを利用するのもひとつの方法です。
つみたてNISAの詳細はこちらで紹介していますので、あわせて読んでみてくださいね。
つみたてNISA対象商品の信託報酬
つみたてNISA対象の投資信託にかかる信託報酬は、運用スタイルと対象資産(日本国内・海外)によって異なります。
信託報酬の比較
国内資産が対象のもの | 海外資産が対象のもの | |
---|---|---|
インデックス運用 | 0.5%以下 | 0.75%以下 |
アクティブ運用 | 1%以下 | 1.5%以下 |
信託報酬の目安は、0.5~2.0%程度なのが一般的。
多くの銘柄で、手数料の負担を抑えられることがわかります。
あくまで低コストで、お手軽に投資信託を利用したい方は、つみたてNISAの活用を検討してみてもいいかもしれません。
信託報酬の安さだけで投資信託を選ぶのは避けよう
信託報酬は、投資信託を持っているあいだに毎日発生する手数料です。
つい、安いほうがお得と考えてしまいがちですが、それだけを理由に銘柄を選ぶのはおすすめしません。
過去の運用実績や、商品の中身などをしっかりと確認しておくことを心がけましょう。
とはいっても、さまざまな銘柄を分析するのは、手間や知識が必要なのが正直なところ……。
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もちろん、今回のような投資信託のお問い合わせもご対応可能です。
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