【IFA】独立系ファイナンシャルアドバイザーに必要な資格|マネカレ

【IFA】独立系ファイナンシャルアドバイザーに必要な資格

きちんと働いていれば老後に備えて貯金ができ、年金も受け取れるような時代は過ぎ去り、自分の資産は自分で準備し、守らなければならない時代になりました。
しかし、

どうすれば安心して資産運用できるんだろう

自分にできるだろうか

と不安を抱えている方も少なくありません。
そのような方に、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)についてご紹介します。

IFAは、金融商品を幅広く扱うためさまざまな資格を保有していることが多く、豊富な金融知識に支えられたアドバイスで顧客の大切な資産を守るナビゲーター的存在です。
ここではIFAに求められる資格・知識・考え方をご紹介し、日本ではまだメジャーではないIFAに相談するメリットをお伝えします。

IFAになるために必要な資格は1つだけ

日本におけるIFAの基本形態は証券外務員とされており、IFAとして活動するには証券外務員資格を保有している必要があります。
証券外務員は一般の方には耳慣れない言葉ですが、顧客に投資信託などの金融商品を販売・勧誘する際に必要となる資格で、一種外務員資格と二種外務員資格の2種類があります。
どちらの資格を持っているかによって扱える金融商品が異なるため、相談するIFAがどちらの資格を持っているか確認するようにしましょう。
証券外務員については以下で詳しく説明します。

証券外務員資格とは

証券外務員とは、銀行などの登録金融機関や証券会社などにおいて金融商品の販売・勧誘等の外務行為を行う際に必要とされる資格です。
証券外務員は日本証券業協会の認定する民間資格で、金融商品の勧誘等の外務行為を行うには証券外務員資格を取得し、日本証券業協会に外務員登録をしなければなりません。
また証券外務員登録後も常に知識をアップデートするために資格更新研修を受けることが義務付けられており、研修を受けないと資格が停止されます。
このことから証券外務員は顧客の資産を守るために必要な最新の知識を有し活動しているといえます。

IFAに関する証券外務員資格は2種類

証券外務員資格は、一種外務員資格と二種外務員資格の2種類があり、資格試験は原則として誰でも受験可能です。
二種外務員資格試験が基本的な金融知識を問うものであるのに対し、一種外務員資格試験は基本的な知識があることを前提により実務的・専門的な知識を問うものとされており、一種外務員資格を取得するにはより高度の金融知識を身につけていなければなりません。

一種外務員資格

一種外務員資格を保有し外務員登録をした者は、すべての有価証券にかかわる職務を行えます。
デリバティブ取引・信用取引などリスクの高い金融商品の取扱いも可能です。
資格試験には金融商品取引法や関連法のほか、株式や債券等に関する知識、財務諸表や証券税制などの知識が出題されます。

一種外務員試験の合格率は、2021年は71.7%・2020年は74.6%・2019年は67.6%でした。
出典: 日本証券業協会「外務員資格試験制度・一種外務員資格試験」

金融機関に勤務する人が受験することが多いため、比較的高い合格率となっています。

二種外務員資格

二種外務員資格を保有し外務員登録をした者もいわゆる現物株式の勧誘など外務員の職務を行います。
一種外務員資格との違いは、一種外務員資格保有者が信用取引・デリバティブ取引といったリスクの高い商品を扱えるのに対し、二種外務員資格保有者はリスクの高い商品を扱えない点です。
また資格試験においても、一種外務員資格試験が実務的・専門的知識を問うのに対し二種外務員資格試験は基礎的な事項を出題するものとされています。

なお、試験合格率は2021年で70.5%・2020年で68.9%・2019年は65.2%でした。
出典: 日本証券業協会「外務員資格試験制度・二種外務員資格試験」

外務員資格は法令違反や資格更新研修を受講しないなどの理由により取り消されない限り転職・退職しても有効です。

二種外務員資格があればIFAになれる

一種外務員資格を条件とする証券会社もありますが、二種外務員資格があればIFAとして活動することは可能です。
また実務的には、比較的安定した資産運用を望む個人に対してデリバティブ取引といったリスクの高い商品を提案することは稀であり、この点からも二種外務員資格を保有しているIFAであれば対応できる場面が多いといえます。
たとえば投資信託をメインに扱う資産運用であれば二種外務員資格で十分対応できます。
ただ、一種外務員資格があることで選択の幅が広がることは事実であり、IFAのアドバイスを望む方はご自身のニーズに合ったIFAに担当してもらうようにするとよいでしょう。

IFAに求められる知識

握手するIFAのイメージ

IFAに求められるのは何よりも金融商品に対する正確な知識と経験です。
顧客の大切なお金についてアドバイスする以上、満足のいく資産形成ができるよう顧客の期待に応え続けなくてはなりません。
資格更新研修などは正確な知識を担保するものとして重要ですが、顧客本位の姿勢を保ち続けることや変化を続ける市場に興味を持ち常に研鑽を怠らない姿勢も欠くことのできないものです。
それだけの意欲と覚悟があるからこそ、IFAは顧客の信頼を勝ち取り、資産運用におけるナビゲーターになることができます。

基礎的な金融知識

IFAはまず大前提として基本的な金融知識を持っていなければなりません。
金融商品には大なり小なりリスクがあるため、金融知識のない人が金融商品を扱うのは危険です。
顧客はIFAに依頼することで自身に不足している金融知識をカバーしようとしているため、IFAにはその期待に応える義務があります。
また顧客に正確な知識に基づいて説明できなければ信頼を勝ち取ることは難しいでしょう。
それゆえ、資産運用のプロフェッショナルとして何よりも求められるのは金融知識です。

法律や税金に関する知識

IFAは金融商品に精通しているだけでは十分ではありません。
お金が動けば税金が発生する可能性があります。

  • 特定口座と一般口座の相違点
  • 譲渡益に掛かる税率
  • 損益通算や繰越控除の意義

など、税金にまつわる一般的な説明ができなければなりません。

特に税金に関する法律は頻繁に改正されるため、情報に敏感になり常に正確な知識を提供できるよう、アップデートしていく責任があります。
また法律の改正情報をいち早く知ることでより適正な資産運用を行うこともできますから、IFAにとって税金に関する知識は金融知識に劣らず重要です。

市場の最新情報

市場は常に変化しています。
グローバル化により、地球の裏側で起こったことが瞬く間に私たちの生活に大きな影響を与える時代になりました。
IFAは常に情報に敏感になり、小さな変化から将来を予測する目を持つことが求められています。
IFAは証券外務員資格こそ必要であるものの、金融機関での勤務経験は必ずしも必要ではありません。
現在では金融機関への勤務経験のないIFAも多く活躍しています。
多種多様なバックグラウンドが、金融知識にとどまらない市場を見る目として役立つ場面もあります。

IFAに求められる考え方

IFAは独立系ファイナンシャルアドバイザーという日本語の名称からも分かるように金融機関の立場を離れ独立性を保ちつつ顧客にアドバイスを行います。
したがってIFAの存在意義は何よりも顧客本位に徹することのできる独立性です。
金融商品の販売ノルマがないため無理な取引を勧めることがなく、目先の利益にこだわらず本当に顧客の立場に立った判断が可能となります。
それがIFAの大きな魅力であり、また厳しさでもあります。

金融商品を販売するだけではなく、顧客の満足するプロセスを提供できているか?

顧客の人生に寄り添えているか?

など、IFAは常に自問自答を繰り返しています。

顧客の人生設計に寄り添った資産の運用

IFAは資産運用のプロとして、また独立性に裏打ちされた長期的な視野を持つナビゲーターとして、顧客の人生設計に最適と判断される資産運用プランを提案しています。
個人顧客は長期的な視野で大切に資産を増やしたいと考える方が多く、そのような方にはIFAのアドバイスが特に有効と考えられます。
リスクを回避するために投資先を分散したり、優良と考えられる投資信託を選ぶことにより着実に資産を増やしていくためにはプロのアドバイスが欠かせません。
また保険や住宅ローンの状況など、現在の顧客状況を総合的に見て最適な提案ができるよう、IFAは日々研鑽しています。

社内のノルマを達成しなければならない

自分の転勤前に利益をあげておきたい

といった考えに左右されず常に顧客目線で判断することに努めているので、IFAは社会のなかで信頼を築きつつあります。

まとめ

IFAにとって大切なのは資格だけではありません。
広範で深い金融知識、変わり続ける市場に対する鋭い目、そして親身に顧客に寄り添う姿勢が何よりも重要です。
独立性をもち幅広い知識をもとにアドバイスできることがIFAの強みですから、投資未経験の方や資産運用に不安を抱えた方に寄り添うナビゲーターになれます。
顧客の未来を守る資産運用に、IFAのアドバイスをぜひご活用ください。

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この記事の監修者

 マネカレ編集部

マネカレ編集部による編集記事です。
マネカレは、2021年9月に開設された資産運用情報メディア。
今後も資産運用やIFAなどに関するさまざまな記事を配信してまいります。

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