【積立】つみたてNISAの銘柄の選び方と失敗例

初めてつみたてNISAを利用する人のなかには、何を基準に銘柄を選んだら良いかわからない人も多いようです。銘柄選びでは、投資スタイルや投資地域、投資対象、バランス型 or 株式型かを意識することが大切です。

そこで今回は、つみたてNISAの銘柄の選び方をご紹介します。また、積立している途中で銘柄を変更する際の注意点や、初心者によくある失敗例もお伝えします。

そろそろ資産運用を始めようかとお考えの方は、リスクを抑えるためにも、ぜひ参考にしてください。

新NISAの情報について
NISA関連の情報については、各種法制度の改正などに基づいて変更されます。
今後の動向によって、情報発信・更新を随時行う予定ですので、引き続きマネカレをご利用ください。
最新情報などをはじめとしたご質問については、マネカレのお問合せフォームまたはPWM日本証券 (運営会社)で受付中です。

 

つみたてNISA(積立NISA)の銘柄の選び方

つみたてNISAで購入できる金融商品は、金融庁が定めた基準をクリアした長期の積立や分散投資に適した投資信託やETFなどです。

投資目的に合った良い銘柄を選ぶには、以下の4つを意識することが大切です。

  • 投資スタイルで選ぶ
  • 投資地域で選ぶ
  • 投資対象で選ぶ
  • バランス型 or 株式型で選ぶ

順に解説します。

投資スタイルで選ぶ

投資スタイルには「インデックス型」、「アクティブ型」の2種類があります。
得られるリターンに違いが出る可能性もあるため、それぞれの特徴をしっかり理解していきましょう。

インデックス型

インデックス型は、特定の指数に運用成果が連動することを目標としているタイプです。
指数とは、市場全体や特定の銘柄群の値動きを数値化したものです。代表的な指数には、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などがあります。
たとえばベンチマークにしている指数が2%上昇すれば、インデックス型の商品も2%上昇する、逆に指数が2%下落すれば、同じく2%下落するように目指して運用されます。

指数に連動することを目標としているため、指数の動きと大きく乖離しない運用成果を目指せることが特徴です。
指数の動きを大きく超えるようなリターンは狙いにくいものの、コストはアクティブ型よりも低く設定されています。

アクティブ型

アクティブ型は、特定の指数や市場全体を上回る運用成果を目指して運用されるタイプです。インデックス型と比較してより積極的にリターンを狙うタイプともいえます。

指数に比較して大きなリターンを得られる可能性はありますが、その分、インデックス型と違い指数の下落以上の損失を出すリスクも抱えています。
特徴としては、ファンドマネージャーなどが銘柄の分析や調査をするため、インデックス型よりも高いコスト(信託報酬)の銘柄が多いことです。

また、つみたてNISAで購入できる投資信託の多くがインデックス型です。そのため、アクティブ型にはそれほど選択肢が多くないことも覚えておきましょう。

投資地域で選ぶ

購入予定の投資信託がどの地域に投資しているかも判断材料のひとつにできます。
投資地域は、主に「先進国」、「国内」、「新興国」の3つに分けられます。

先進国

先進国とは、アメリカやヨーロッパ諸国が対象です。先進国は経済が成熟しているため、新興国に比較して急激な成長はあまり期待できません。その分、比較的リスクが低いとされています。

国内

国内は値動きを把握しやすいことが特徴です。また、円投資という意味では為替リスクがありません。しかし、日本の上場企業には為替の上下が業績に強い影響をあたえる輸出関連が多いため、一概に「為替リスクがない」といえない側面もあります。

新興国

新興国は、ブラジルや中東諸国、中国などが対象です。中国は世界第2位の経済規模を誇りますが、国内の経済格差が大きく外国人に対する投資規制も多いことから、新興国に分類されることが多いです。
新興国は経済水準がそれほど高くないため、急成長による大きなリターンが見込める可能性があります。しかし、その分リスクも大きくなる傾向があります。

投資対象で選ぶ

主な投資対象には「株式」、「債券」、「REIT」、「コモディティ」の4種類があります。

株式

株式とは、株式会社が事業資金を出資してもらった人(株主)に対して発行する証券のことです。株式会社が株式を発行してお金を得た場合、株主に対して返済義務はありません。
値動きが大きいため、その分大きなリターンを得られる可能性があります。しかし、目論見が外れると、大きな損失を被る可能性もあります。

債券

債券とは、国や地方公共団体、企業などが事業に必要な資金を借り入れるために発行する証券(借用証書)のことです。債券を発行した団体は、投資家に対して利払いや、返済の義務があります。ここが株式との最大の違いです。

株式と比較すると値動きは安定している傾向にあります。その分、大きなリターンは期待しづらい投資対象です。

REIT

REITとは、不動産投資信託のことです。不動産投資信託は、投資家から集めたお金で不動産を購入し、売買益や賃料収入を分配金として分配する仕組みです。日本の不動産投資信託は「J-REIT」と呼ばれます。

分配金利回りの高さが特徴ですが、価格は変動しやすい傾向にあります。

コモディティ

コモディティとは、一般的には「商品」という意味です。投資の世界では、商品先物市場で取引される貴金属(金・銀・プラチナなど)やエネルギー(原油・天然ガスなど)、穀物(トウモロコシ・大豆・小麦など)などを指します。

コモディティは、株式や債券とは異なる値動きをする傾向があることが特徴です。株式や債券等と組み合わせて保有することで投資資産全体のリスクが下がる可能性があります。

バランス型 or 株式型

つみたてNISAの投資信託は、組み入れている資産によって「バランス型」と「株式型」にも分けられます。

バランス型

「バランス型」は、投資対象に株式や債券、REITなど、複数資産を組み合わせていることが特徴です。分散投資効果が期待できるため、リスクを抑えられる可能性があります。しかし、大きなリターンは期待しづらいです。また、銘柄によって投資対象も違うため、どんな資産に分散投資しているかチェックすることをおすすめします。

株式型

株式型は、株式のみに投資しています。国内株式のみや、海外株式のみを対象としたものなどがあります。ハイリスク・ハイリターンや、ローリスク・ローリターンなど商品の種類はいろいろあり、さまざまな運用スタイルもあります。そのため、投資初心者には商品選びが難しいことが特徴です。

株式型には中身が似たような商品もありますが、その場合は信託報酬(運用や管理にかかる費用)を比較することも選ぶ際のポイントです。

信託報酬を確認する

信託報酬とは、投資信託の保有中に毎日かかるものです。信託報酬は商品ごとに異なります。運用内容や実績が同じ場合、長期運用のためには安いほうが良いでしょう。

しかし、一概に安いほうが良いといえない側面もあります。商品にはさまざまな種類があるため、信託報酬が安くても運用実績が悪い場合もあります。反対に、信託報酬が高くても運用実績が良いファンドもあります。

そのため、信託報酬で比較する場合は、運用内容や実績についてもあわせて確認しましょう。

純資産総額も目安に

銘柄選びの際は、純資産総額もチェックしておきましょう。

純資産総額を見れば、投資信託の規模がわかります。純資産総額は投資信託の運用会社によって毎営業日、算出されています。純資産総額が増え続けていれば運用成績が良い可能性もあるため、ひとつの目安にできるでしょう。

純資産総額は一概に多ければ良いとはいえませんが、減り続けると繰上償還が行われる場合があるため注意が必要です。

繰上償還とは、信託期間の終了前に投資信託の運用が終了することです。繰上償還が行われると、投資家の判断とは無関係に運用が終わってしまうため、目安のひとつとしてチェックしてみてください。

【おすすめ】PWM日本証券で購入できるつみたてNISA(積立NISA)の銘柄一覧

スーツを着たアドバイザーの女性

PWM日本証券で購入できる「つみたてNISA」の銘柄は以下のとおりです。(2021年6月23日時点)
投資スタイルや投資地域などを見比べて、自分に合った銘柄を選んでみてください。

ファンド名 投資スタイル 投資地域 投資対象 バランス型 or 株式型 信託報酬 純資産総額
1 <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド インデックス型 国内 株式 株式型 0.154%(税込) 406.25億円
2 <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド インデックス型 国内 株式 株式型 0.154%(税込) 240.73億円
3 年金積立 Jグロース アクティブ型 国内 株式 株式型 0.902%(税込) 423.60億円
4 コモンズ30ファンド アクティブ型 内外 株式 株式型 0.748~1.078%(税込) 282.75億円
5 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド インデックス型 海外 株式 株式型 0.275%(税込) 624.23億円
6 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド インデックス型 海外

(先進国)

株式 株式型 0.1023%(税込) 2,979.36億円
7 たわらノーロード 先進国株式<為替ヘッジあり> インデックス型 海外(先進国) 株式 株式型 0.22% 132.24億円
8 eMAXIS NYダウインデックス インデックス型 海外(北米) 株式 株式型 0.616~0.66% 235.70億円
9 つみたて米国株式(S&P500) インデックス型 海外(北米) 株式 株式型 0.22% 4.72億円
10 SBI・新興国株式インデックス・ファンド インデックス型 海外(新興国) 株式 株式型 0.066%(税込)、実質信託報酬0.176%(税込)程度 105.53億円
11 フィデリティ・米国優良株・ファンド アクティブ型 海外(北米) 株式 株式型 1.639% 425.55億円
12 フィデリティ・欧州株・ファンド アクティブ型 海外(欧州) 株式 株式型 1.65% 291.14億円
13 eMAXIS バランス(8資産均等型) インデックス型 内外 株式、債券、REIT バランス型 0.506~0.55% 366.72億円
14 ダイワ・ライフ・バランス30 インデックス型 内外 株式、債券 バランス型 0.198% 186.58億円
15 ダイワ・ライフ・バランス50 インデックス型 内外 株式、債券 バランス型 0.22% 168.26億円

ご案内の商品は、つみたてNISAで買付けた際、銘柄ごとに設定された運営管理費用(信託報酬等)の諸経費をご負担いただく場合があります。また、価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。

銘柄変更の注意点

つみたてNISAでは、それまで積立してきた銘柄の変更自体は可能です。既存銘柄での新規積立を止めて、ほかの銘柄で積立を始めれば良いのです。

しかし、ほかの銘柄に変更するといっても、すでに消費している非課税投資枠(40万円/年)は再利用できません。もし、その年の非課税投資枠を消費し切っている場合、銘柄変更はできません。

また、銘柄変更しても、それまで積立してきた銘柄は保有し続けることが可能です。将来的に利益を得られる可能性もあるため、非課税のまま保有し続けたほうが良い場合もあります。

つみたてNISA(積立NISA)でありがちな失敗例

最後は、投資初心者にありがちな「つみたてNISA」での失敗例を3つご紹介します。

よくある失敗例

  • 暴落して売却
  • 積立額を高く設定
  • 利益が出てすぐに売却

暴落して売却

「暴落してすぐに売却してしまう」ことは、よくある例です。

暴落すれば投資初心者は焦ったり不安になったりしがちですが、つみたてNISAでは価格が下がれば多くの数量を購入できます。暴落時に売却せずに積立を続ければ、その後、相場が回復して大きなリターンが得られるかもしれません。

市場は上下に変動するものであるため、「下落のときこそチャンス」と考えることも大切です。

積立額を高く設定

生活に影響が出るような積立額に設定してしまう人もよくいます。
積立額に無理があると、普段の生活を切り詰める必要が出てきます。これでは多くの人は途中で続かなくなるでしょう。また、人生には予想外にお金のかかる場面もあります。

人生設計をしたうえで投資しなければ、必ず無理が出てきます。
投資を始める際は、まずは無理のない範囲の積立額に設定することがポイントです。

利益が出てすぐに売却

リターンを得られるからと、すぐに売却してしまう例もあります。

価格が上昇しているタイミングで売却すれば確かにリターンを得られるでしょう。しかし、これは複利効果でのリターンを得られるチャンスを自ら手放すことも意味します。

売却せずに保有し続ければ、その後さらに大きなリターンを得られることも考えられます。長期投資するうえでは、目先の値動きに一喜一憂しないことも大切です。

まとめ

つみたてNISAの銘柄を選ぶ際は、投資スタイルや投資地域、投資対象、バランス型か株式型かを意識することが大切です。信託報酬や純資産総額もひとつの目安にできるため、併せてチェックしてみましょう。
ただ、投資経験のない初心者には失敗が付き物です。よりリスクを抑えて銘柄選びをしたい場合は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を味方に付けましょう。投資のナビゲーターであるIFAは、中立の立場から銘柄選びをアドバイスしてくれます。安心して資産運用するためにも、ぜひIFAに相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

 マネカレ編集部

マネカレ編集部による編集記事です。
マネカレは、2021年9月に開設された資産運用情報メディア。
今後も資産運用やIFAなどに関するさまざまな記事を配信してまいります。

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