NISA口座開設する場合の注意点|マネカレ

NISA口座開設する場合の注意点

将来や老後のことを考えれば少しでも貯蓄をしたいところですが、低金利時代で目標金額に届かせるのはなかなか難しいと思います。
そのため、今注目されているNISAを活用して資産運用を始めようとお考えの方が増えてきています。
しかし、具体的な制度の中身やNISA口座の開き方などがわからないという方は少なくありません。

この記事では、NISAの制度や種類ごとの違い、NISA口座を開設する手順についてご紹介します。
資産運用に興味のある方はぜひご覧ください。

新NISAの情報について
NISA関連の情報については、各種法制度の改正などに基づいて変更されます。
今後の動向によって、情報発信・更新を随時行う予定ですので、引き続きマネカレをご利用ください。
最新情報などをはじめとしたご質問については、マネカレのお問合せフォームまたはPWM日本証券 (運営会社)で受付中です。

 

NISAとはどんな制度?

NISAとは、Nippon Individual Savings Accountの略です。
正式名称は少額投資非課税制度といい、その名が示す通り、個人投資家向けの税制優遇制度のことです。

通常、株式や投資信託に投資した際、配当金・分配金を受け取ったり、売却して譲渡益が発生した場合、配当金等や譲渡益に対して20.315%の税金がかかります。

ところが、NISA口座を利用すれば税金分が非課税になるので、利益をそのまま得ることができます。
課税される場合に比べ、効率よく資産運用することが期待できるお得な制度です。

NISAには、

  1. 一般NISA
  2. つみたてNISA
  3. ジュニアNISA

の3種類があります。

だれでも口座を開設できる?

NISA口座を開設するにはいくつかの要件があります。
先述した通り、NISAには一般NISAつみたてNISAジュニアNISAの3種類があり、それぞれ要件が若干異なります。

一般NISA・つみたてNISAは、口座を開設する年の1月1日現在、日本在住で20歳以上であればだれでも開設することができます。

ジュニアNISAは口座を開設する年の1月1日現在、日本在住の0歳~19歳の人であればだれでも開設することができます。

NISA口座の開設状況

非課税制度として注目されているNISAですが、実際どのくらいの人が口座を開設されているのでしょうか?
金融庁の資料をもとに、2020年12月末時点の一般NISA口座数とつみたてNISA口座数を見てみましょう。

一般NISA口座数 つみたてNISA口座数
総数 1,220万9,886口座 302万2,422口座
20代 47万3,272口座 54万5,636口座
30代 126万1,900円 81万7,415口座
40代 185万6,500口座 76万2,263口座
50代 211万5,074口座 52万1,860口座
60代 258万2,000口座 25万6,048口座
70代 261万8,633口座 10万2,758口座
80歳以上 130万2,507口座 1万6,422口座

出典: 金融庁「NISA口座の利用状況調査 (2020年12月末時点)」

一般NISAは、80歳以上を除けば年齢が高くなるほど口座数が多くなっていますが、20 歳代と30歳代では倍以上差が開いていることがわかります。

一方で、つみたてNISAは、30代~40代の口座数がほかの年代と比べて多いことがわかります。

30代~40代はまとまった資金が必要なライフイベントの多い年代であり、将来を見越して効率的に資産運用しようと考えていることが推察できます。

NISAは3種類ある

NISAは、一般NISAつみたてNISAジュニアNISAの3つに分けられます。
非課税投資枠や非課税期間など、種類ごとに違いがあるため、ここからは各NISAの特徴をご紹介します。

NISA (一般NISA)

利用可能な人 日本在住の20歳以上の人
(口座を開設する念の01月01日現在)
非課税期間 最長5年間
非課税投資枠 年間120万円
非課税投資枠の最大金額 最大600万円
(非課税期間5年×非課税投資枠120万円)
投資可能期間 2014年~2023年
投資可能な金融商品
  • 株式投資信託
  • 国内・外国株
  • 国内・海外ETF
  • ETN(上場投資証券)
  • 国内・海外REIT
  • 新株予約権付社債(ワラント債)

一般NISAは、投資可能な金融商品の種類が豊富であることが特徴です。
国内・海外の上場株式や投資信託、ETFなど、大半の金融商品の運用が可能なので、比較的自由度の高い取引ができます。

さまざまな金融商品に投資したい方に合った種類のNISAであるといえるでしょう。

つみたてNISA

利用可能な人 日本在住の20歳以上の人
(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税期間 最長20年間
非課税投資枠 年間40万円
非課税投資枠の最大金額 最大800万円
(非課税期間20年×非課税投資枠40万円)
投資可能期間 2018年~2037年
投資可能な金融商品 金融庁が定めた基準をクリアした投資信託とETF

つみたてNISAは、長期的な積立や分散投資をサポートするための非課税制度です。
非課税期間が最長20年間と長いぶん非課税枠の上限額は年間40万円と少額に設定されているのが特徴です。

投資可能な金融商品は金融庁が定めた基準をクリアした投資信託とETFに限られており、長期投資に向いたラインアップとなっているのがメリットです。
そのため、投資初心者の方におすすめです。

一般NISAと併用することはできないのでご注意ください。

ジュニアNISA

利用可能な人 日本在住の0歳~19歳の人
(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税期間 最長5年間
非課税投資枠 年間80万円
非課税投資枠の最大金額 最大400万円
(非課税期間5年×非課税投資枠80万円)
投資可能期間 2016年~2023年
投資可能な金融商品
  • 株/式投資信託
  • 国内・外国株
  • 国内・海外ETF
  • ETN (上場投資証券)
  • 国内・海外REIT
  • 新株予約権付社債 (ワラント債)

ジュニアNISAは、未成年者を対象とした税制優遇措置のことです。
子供の教育資金や就職準備金などのために資産運用したい、という方向けのNISAです。
口座開設者本人 (0歳~19歳)の二親等以内の親族(両親や祖父母)が管理・運用を行います。
口座開設者が18歳になるまで払い出しはできない仕組みとなっています。

NISA口座を開設するまでの流れ

NISA口座開設の窓口手続き

続いて、NISA口座を開設するまでの流れを解説します。
金融機関によって手順が異なる場合がありますが、おおむね以下の流れです。
申し込みから取引開始まで2~4週間ほど時間がかかります。

口座開設までの流れ

  1. NISA口座を開設する金融機関を選ぶ
  2. 金融機関に口座開設を申請
  3. 税務署において二重口座ではないか確認
  4. 口座開設が完了
  5. NISA口座での取引が可能になる

NISAを利用するためには、銀行や証券会社などでNISA口座を開設しなければなりません。
NISAを利用できるか、扱っている金融商品の内容などは金融機関によって違うので事前にしっかり確認しましょう。
NISA口座開設には証券総合口座等の開設も必要です。

口座開設の方法は、金融機関によって変わりますが、店頭窓口申込み・郵送・インターネットなどが主です。
また、口座開設に必要な書類は、申請書類や本人確認書類・マイナンバーカード・印鑑(不要とする金融機関もある)などになります。

NISA口座を開設する前に確認したいこと

NISAは、誰でも気軽に始められるような印象を抱きがちになりますが、注意すべきポイントが複数あります。
以下では主なものをご紹介します。

ひとり1口座まで

NISAを始めるにはNISA口座の開設が必要ですが、ひとりにつき1口座のみ開設することができます。
つまり、複数の金融機関でそれぞれ口座を開設することはできないということです。

例えば証券会社AでNISA口座を開設すれば、B証券会社やC銀行でNISA口座を開設することはできません。
各金融機関に1口座ずつ開設しようとする方がいるのでご注意ください。

金融機関の変更は1年ごと

1年ごとに異なる金融機関への変更が可能です。
変更したい年の前年の10月1日から、変更する年の9月30日までに変更の手続きを完了させる必要があります。

変更する年の1月1日以降に金融機関のNISA口座(変更前)で買付けしていると、その年での金融機関の変更はできません。

一般投資口座からは移管できない

ほかの金融機関の一般口座や特定口座で株や投資信託を保有していた場合、それをNISA口座に移管することはできません。

保有している株式等を非課税のNISA口座に移管できると勘違いしている方もいますが、認められていないのでご注意ください。

ほかの口座との損益通算ができない

損益通算とは、一定期間内の損失と利益を相殺する制度です。
一般の投資においては、投資口座Aに損失が生じ、投資口座Bでは利益が生じた場合には、それぞれの損失と利益を相殺することで税金を減額することが可能です。

しかし、非課税であるNISA口座では、損失が出ても税務上無いものとして扱われるため、特定口座や一般口座の運用益との損益通算ができません。

繰越控除できない

繰越控除とは、その年に控除しきれなかった損失を、翌年以降に繰り越して利益と相殺する制度(最長3年間)のことです。
通常の投資であれば繰越控除が可能で、納税額を少なくすることが期待できます。

しかし、NISAは繰越控除ができません。
NISAは非課税なので、たとえ損失があっても税制上は損失とはみなされないためです。

まとめ

NISAは魅力的な非課税制度ですが、注意すべきポイントなどが複数あります。
口座を開設してから確認するのでは遅いので、後悔することがないよう事前の確認をしっかり行うことが大切です。
金融機関によっては取り扱っている商品が違うので、そちらもチェックしましょう。

NISAの手続きや商品選びが不安な場合は、IFA (独立系ファイナンシャルアドバイザー)を味方につけるのがおすすめです。
中立的な立場であるIFAからナビゲートしてもらうことで、投資初心者でもスムーズにNISAを用いた資産運用を始めることができます。
ぜひ検討してみてください。

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この記事の監修者

 マネカレ編集部

マネカレ編集部による編集記事です。
マネカレは、2021年9月に開設された資産運用情報メディア。
今後も資産運用やIFAなどに関するさまざまな記事を配信してまいります。

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